
ゆう
@fleurs_wisteria
2026年7月27日

ソクラテスの弁明
プラトン,
田中美知太郎,
藤澤令夫
読み終わった
@ 図書館
好き度☆☆☆☆
おすすめ度☆☆☆☆☆
※本書には『ソクラテスの弁明』『クリトン』『ゴルギアス』の三作品が収録されている
・教科書に出てくるけど読んだことはない作品その3(さすがに学生時代読んだことあったかもだけど忘れた)
・2500年前から見通されてる感覚…………直前に読んだ方法叙(序)説と比べてみるとかなりシンプルで極論的な部分はあるものの、人間の根源については2500年くらいじゃ変わらない/変われないんだなあとより強く思わされた
・神の思し召しによってそうなっている以上受け入れなければならないという考え方、これがキリスト教徒と親和性高いんだろうなと納得がいった 信じる神自体は違うけど支配神に対する考え方が近いというか だからその後のキリスト教世界でも通用したんだろうなと
・ソクラテスはどうして死を選んだのだろうと、プラトンがソクラテスから教わったことをもとに考えて考えて考えて、やっと自分が納得できた結果なんじゃないかという感じがした キリスト教の始まりもそうだけど、理不尽な死からしか生まれないものってあるのかもしれない……と思った 理不尽を己に納得させるために思考が発展するような……
・なんていうか……本当にプラトンはソクラテスの汚名をそそぎたかったのだろうなと、ゴルギアスまで読んでものすごく感じた
ソクラテスの弁明の内容や、実際に史実として伝わっているらしいことがらを考えても、ソクラテスに対する反発やよからぬ評価、知者と呼ばれながらその実愚か者だったというような言説がソクラテス刑死後の世の中で多く言われていたことは想像に難くないけれど、プラトンはきっとそれが絶対に許せなかったんじゃないかと…………(ただの推測だけど)
でももしそうでなければ、つまり当時すでにソクラテスはすばらしい知者だった、ソクラテスを殺した側の方が愚かだったのだという風潮になっていたのであれば、プラトンはソクラテスが何をどのように考え教えていたのかを書くだけで十分だったはずで、特にゴルギアスなんてソクラテスの死後だいぶ経ったあと(19年後とされている)の作品でまでソクラテス自身の正当性や彼が死を選んだことの正当性をほのめかすようなことは書かなくてよかったはず
しかし、何も非がなくても裁判にかけられることや死刑になることをことあるごとに議論の例として挙げているということは、そうではなかったということなんじゃないかと思う
でも最終的にはプラトンが勝利したことになる 2500年後の私たちには、ソクラテスを貶めた言説は残っているものもあっても重要視されることはなく歴史の向こうにほとんどが雲のように消え去って、プラトンの描いたソクラテスの姿はその後2500年続く西洋哲学の源流とされているだけでなく今でもこうして読まれ、学ばれ、生きているのだから
・ソクラテスは何度も何度も振り返っては進んで振り返っては進んでと議論を展開させていくので読んでる側としてはもう完全にまどろっこしい〜〜!!ってなるんだけど、同じように作中でソクラテスと議論している人たちもめんどくせ〜〜!!ってなっているところがプラトンの巧いところであり、そして実際ソクラテスと議論した人たちもそうなってたんだろうなと思わされる笑