
ゆかし
@return1030
2025年3月29日

こんた、バスでおつかい
田中友佳子
読み聞かせ
実家に帰省したら、母が息子のために用意してくれてた。しかし表紙の可愛い絵から期待した内容とは違って、妖怪のでてくる怖い系話だった。母も息子が最初よんで戸惑っていたので私も読んだら、色んな意味でホラーだった。
絵は可愛い。
お話は、こんたがひたすら怖がってて気の毒だった。
バスを間違えただけなのに!
(しかも結果的に失敗だったけど、乗るまえに不安を覚え運転手さんにちゃんと確認してたので大変えらかった。)
バスで乗り合わせることになる妖怪たちはただフツーにほのぼの生活してて(お花を持ってウキウキしてる唐傘とか、ランドセル背負ってる鬼や河童とか)、こんたにはとくに何のアクションもしない。エクストリーム無害。
しかしこんたはひたすら怯え、あまつさえ悲鳴をあげる。
そして妖怪たちの反応は描写なし。
「妖怪だから怖がられて嬉しい」とか、「妖怪だけど私たちと変わらぬ生活がある優し人たちだから、見た目で判断しちゃだめだよね」とか、ないの?これどっちのスタンスなの?
なぜこんたの悲鳴に対するリアクションがないの?こんたが見えてないの?!
そして妖怪たちが住んでる「おそろしむら」は、こんたたちのすむ「おいなりむら」とどうやら共生してるっぽい(こんた母も祖父母もおそろしむらの存在を知っているし路線バスも通ってる)んだけど、これがどういう位置付けなのかさっぱりわからない。不可侵条約でも結んでるのか??
現実世界でバスで別のコミュニティの人が乗っただけで嫌悪をあらわにしていいのか?
見た目や情報だけで判断していいのか?
この絵本からは「それでもいい」という差別的なメッセージを受けた。私は。
違うというならば、妖怪があんな生活じみてないほうがいい。
そしてきつねのこんた自身も「おいなりむら」に住んでいるあたり、こんたも妖怪の類かもしれない。大丈夫?こんたのムーブ無礼すぎない?!だれか諭せ。おじいちゃん笑って「さては(間違えて)青いバスに乗ったな?」場合じゃないぞ。
とにかく不安になった。
息子はバスが好きなのと、こんたが可愛いので二度目を要求したが、私は読んでてモヤモヤする。
「こんたもおばけも可愛いね」「こんたバス間違えてダメだったね」とかで済ませろっていうの?色んな意味でホラーだった。
すまないが、何がテーマなのか分かりにくい、もしくはあまり配慮されていない絵本。
表紙カバーの読み終わり側に作者プロフィールがあって、なんか趣味はランニングとかまで書いてあってたいぶ引きました。ここにそういうことまで書いちゃう人の本?自由だけどさあ…。