
ちゃせん
@arbata_caj
2026年7月31日
記憶の果ての旅
沢村凜
読み終わった
読書日記
ただ楽しく遊ぶ毎日を繰り返していた「ぼく」が、ふと疑問を持って旅に出るところから始まる物語。何も覚えていない、知らないこと(というより、忘れていること?)ばかりで、描写の不自然さが後の場面で次々に回収されていく。ゲームのような世界観の中で、明かされる真実は自分が予想していたものからさらにひとひねり、といったものだった。感情をあらわす言葉や自分の名前、生命活動そのものの概念という欠落がどんどん埋まっていく構成だけに、ぼんやりした霧の中から輪郭が浮かび上がってくるような不思議な読み味の小説だった。