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ちゃせん
ちゃせん
@arbata_caj
記録用 小説、新書など
  • 2026年7月2日
    リトアニアを知るための60章
    必要に迫られて勉強することになったので、入門書的に一冊。このシリーズは様々な分野の専門家が端的にまとまった記事を書いているので、地域研究や勉強の入門にはピッタリ。学生時代リトアニア語は一年ほど履修していたが、何もかも忘れていたので、新鮮に面白く読んだ。文化や歴史の豊かさ、自然の美しさ、バルトもまた奥深い世界である。
  • 2026年6月21日
    ぼくはなにいろ
    それぞれに生きづらさを抱えた人々の関わり合いを群像劇的に描く一冊。人にはいえない傷跡を抱えた人、自分を見失い、目的や夢を持たずに生きている人、それぞれが傷つきやすすぎるほどに傷つきやすく、繊細で、それでいて優しい。登場人物の中では、はっきりした夢や目的を持たないことにコンプレックスを抱えつつ生きている孝志朗が一番好きだったかも。
  • 2026年6月18日
    竜の医師団5
    竜の医師団5
    舞台は南の国、ガナラージャへ。こちらのモデルはインドあたりだろうか。 イヅルを舞台とした前作以降、カランバスとは異なる風土や文化を持つ国が本格的に登場し、世界観がグッと広がり始めている。人だけではなく竜の登場人物(人物?)も増え、お馴染みのディドウスとチューダの父子に加え、お姉さん子竜のシストラ、その母で淑女と呼ばれるリエーデ、さらに母のカテンカなど、実に個性豊かな竜たちがひしめき合う。豊かなガナラージャを舞台に、そこにもやはり存在する差別、そして竜の医療そのものを否定する過激な一派の影、リョウの記憶、レオとのギクシャク……と、不穏のタネがあちこちに撒かれたまま、とりあえずのチューダの危機を脱した美しい夜の場面で幕切れとなる。猛烈に続きが気になったところだが、幸いにまさに今日、続きの6巻が発売になった。世界観もキャラクターもますます奥行きを増して、読み進めるのがとても楽しい一冊である。
  • 2026年6月15日
    まだまだここから
    酒井以さんによる表紙の優しい絵に惹かれて。水泳の特訓生になれなかった蓮が、違うプールで新しい友達と出会い、練習を重ねながら、自分自身の気持ちに向き合っていく。自分とは違って特訓生になれた弟への嫉妬や、なかなかうまくいかない焦りをしっかりと見つめ、ひと夏の間に大きく成長した蓮の姿、陽太や海音との温かな友情に頬がゆるんだ。小学生向けのお話だけど、がんばったのにうまく結果が出せなかった悔しさは大人でも覚えがあるはず。疲れた大人の心にもしみる一冊。 健康のためにプールに行こうかと思っている自分にとってタイムリーなお話でもあった。
  • 2026年6月15日
    理由あって冬に出る
    初読みの作家さん。怪奇現象の正体は……というところから、思わぬ結末、そしてさらなる驚きが、という何段構えかのサプライズが待っていた。マイペースに周囲を振り回している伊神さんではあるが、読んでいてそこまでめちゃくちゃ変人という印象にまではならなかったのはなぜだろう。プロローグから挿話の記述にまんまと騙されたわけだが、ミノのやったことは(やりかたは良くなかったにしろ)否定されるべきものではないのではないかと思うし、悪意に負けないでほしいと思った。
  • 2026年6月13日
    きみは悪口を言わない
    クラスメイトとの微妙な関係、親との葛藤、子どもとしての悩みを抱える3年生のクラスメイトたちのお話。 決してスッキリ解決! ハッピーエンド! というお話ではないのだが、達哉の怪我が治ったあとのように、いままで通りとはいかなくとも、痛みを抱えつつも新しく進んでいく、ということが描かれているのかも。してしまったことは消えないし、起きてしまったことは受け入れなくてはいけないのだ。 達哉くんの人間の器が大きすぎるし、翔吾ママは明らかにケアが必要な人なのだが、このあと普通に生活していくことが本当にできるんだろうか。 中島花野さんの装画(既存作品が作品にピッタリということで使用したそう)が、作中の悩める小学生たちを表しているようで素敵。
  • 2026年6月13日
    源氏物語 8
    源氏物語 8
    長く続いた源氏物語も、これで完結。恥ずかしながら通読したことがなかったので、まずはやり遂げたという達成感がひとつ。そして、「夢浮橋」を読み終えて、「え、ここで終わり?」という戸惑いがひとつ。しかしあとがきも読んで思ったのは、このように未来に空白を残すような終わりにすることで、父からは存在を認められず、ふたりの男の板挟みになり、流されるようにして生きてきた浮舟の選択と、ある意味での自立が描かれたのではないか、ということだった。確かにねじくれて執念深く屈折した薫がこれで諦めるかというと怪しい気がするのだが、自分の意思を獲得し俗世を離れた浮舟には、もしかしたらはじめて、選択肢というものが与えられたのかもしれない。1000年も前に、多様な人間の愛憎や悲しみ、愚かさ、やさしさ、いとおしさ、さまざまな感情を鮮やかに描き出した紫式部の筆力に、改めて感服してしまった。
  • 2026年6月9日
    佐藤の告白
    佐藤の告白
    中島花野さんの装画に惹かれて。 とある中学、佐藤という男子生徒が鈴木という男子生徒に告白した、という噂が広まったことをきっかけに巻き起こる波紋を描いたお話。「佐藤の告白」というタイトルだし、表紙で一番目立つところにいるのも佐藤なのだが、4話+エピローグで構成されるお話は全て、彼以外の人物の一人称である。佐藤に想いを寄せるひなの、ひなのや鈴木の担任である岡本、佐藤の母、そして鈴木。佐藤自身が何を考えているのかは明かされないまま、さまざまな関係や距離から見た佐藤という人物が描かれ、そして語り手の心も揺らぎ、時には荒れ、そして変わっていく。 心無い噂に晒される佐藤を守りたくて、ゴリラになりたいなどと願うひなのの恋する乙女っぷりに笑ったりもしつつ、全体として切なくみずみずしく、そしてあの「学校」という狭い世界に漂う閉塞感やひりついた空気を感じる物語だった。 鈴木の語る4話目でことの真相は明らかになるのだが、ひなのも岡本も、そして佐藤の母さえそれを知ることはない。エピローグでひなのが見たような、2人だけの大切な関係や時間がそこに流れているような気がした。 読み始めて夢中になって没頭した小説はとても久しぶりで、子供の頃の読書体験を思い出した。とてもとても良い作品だったと思う。
  • 2026年6月8日
    名古屋お疲れメシ通信 連載再開編
    第二巻。相変わらず美味しそうなお料理がたくさん登場してお腹のすく作品。コラムの復活に繋がったとある出来事のわけが明かされる最終話に至るまで、ご飯を通じた人とのつながりや、良きにつけ悪しきにつけ言葉が人を動かすことが一貫して描かれており、一巻にもまして一冊としてのまとまりがあり、さわやかな読後感だった。
  • 2026年6月2日
    源氏物語 7
    源氏物語 7
    前巻から宇治十帖に入り、「総角」~「東屋」を収録。宇治の八の宮の死後残された大君と中の君の姉妹、そして薫と匂宮の人間関係が展開する。とにかく薫は光源氏や柏木に比べて優柔不断で行動力に欠けるところがあり、反面鬱屈した内面が爆発するととんでもないことをしたりもする。そんな薫と、頑ななまでに父の遺言を守り通そうとする大君は結ばれることもなく……家や父親、婿という後ろ盾に縛られる女性の悲しみもより一層痛切に感じながら、いよいよ次が完結巻となる。
  • 2026年5月23日
    弊社は買収されました! 総務部・真柴さん最後のお仕事
    カバーイラストに惹かれて手に取った一冊。突然外資系に買収されてしまった石鹸メーカーを舞台に、総務部の真柴忠臣を中心として描かれる一年間のお話。世代の違い、国の違い、環境の違い、いろんな違いを抱える人々が、ぶつかりながら話し合いながら問題を乗り越えていこうとするお仕事小説といった趣で、読んでいてとても楽しかった。特に柏宇やスミレが魅力的。額賀澪さんの作品は初めてだったが、文体がとても好きだなあと思った。
  • 2026年5月20日
    増補 害虫の誕生
    ハエやガなど、現代では害虫として駆除の対象となっている虫が、人間の歴史の中でいかにして駆除すべきものとなっていったか、科学史や生活史の観点から論じた一冊。人間の住む環境や社会が変化するごとに虫との関係も変わっていくこと、言われてみれば確かに…という、今まであまり考えたことのない着眼点でとても面白かった。
  • 2026年4月23日
    愛してるって言えなくたって
    ma2先生のカバーイラストに惹かれて。既婚子持ちの課長が中途採用の部下に一目惚れして悶々としてしまう話。じれったくてきゅんきゅん、というよりは大人なのにこの人大丈夫か? という感情になっているうちに読み終わってしまった。
  • 2026年4月17日
    世界の英語
    英米カナダオーストラリアだけでなく、世界各地に広がる英語のバリエーションの歴史や特徴、用例を紹介した一冊。基本的には軽く紹介のような形でまとまっているが、文献案内にある本も読んだらさらに理解が深まりそう。
  • 2026年4月9日
    源氏物語 6
    源氏物語 6
    夕霧〜椎本を収録。紫の上の死や源氏の死、そして次の世代のお話へという劇的な展開を迎える巻なのだが、何よりも落葉の宮に懸想した夕霧の暴走がなかなかに気持ち悪いなという印象が…笑 角田光代氏も後書きで書いているが、妻ひとすじを貫いた男がこうなるのはなんだかリアルな嫌さがある。
  • 2026年3月28日
    あっちもこっちもこの世はもれなく
    児童書。コンプレックスに悩む子どもたちのお話。 この世にはどうしようもないことがあって、そんな不公平は公平なのだ、というおじさんの言葉が大人の自分にもスッと沁みる一冊。表紙や挿絵のイラストがとてもかわいいなあと思ったら、見たことのある二次創作イラストを描かれているイラストレーターさんであった。
  • 2026年3月24日
    小田くん家は南部せんべい店
    小田くん家は南部せんべい店
    青森在住の高森美由紀さんの小説。児童書を多く手がけている同氏らしく子どもたちの温かな友情や家族の優しさ、地元に根ざした愛情のようなものをたくさん感じることができ、読後感が素晴らしい。
  • 2026年3月16日
    竜の医師団4
    竜の医師団4
    カランバスを飛び出してイヅルに舞台を移した4作目。いわゆる優生思想を持つ一派とのせめぎ合いや、血が苦手で仕方ないレオが土壇場で覚醒をする姿、ディドウスやチューダとの触れ合いを通じて確実に育まれているリョウの愛情、スケールが広がりますます目が離せなくなっている。
  • 2026年3月10日
    源氏物語 5
    源氏物語 5
    若菜〜鈴虫までを収録。女三の宮の降嫁、紫の上の苦悩、柏木の死、光源氏を苛む業、前巻までにもまして素晴らしく、恐ろしいまでにドラマチック。
  • 2026年2月28日
    歌人探偵定家
    歌人探偵定家
    藤原定家を主人公に据えた異色ミステリー。創作要素多めなのかと思いきや、史料に基づいて実に細かく設定や物語が練られている。最後の最後のどんでん返しで伏線が回収されていくのも気持ちよかった。続編が出るそうなので楽しみ。
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