
Anna福
@reads--250309
2026年8月3日

医療短編小説集(909;909)
F.S.フィッツジェラルドほか,
W.C.ウィリアムズ,
石塚久郎
読み終わった
かなりかなり面白かった。
一番面白かったのは「一口の水」。
マチズモ男性フレッドが戦地で負傷し、失明、四肢切断となる。献身的に看護するアリスとの関係、重い障害を負ったことによる苦しみや、看護が内包する問題も描かれている。
二人の関係は愛というより共依存なのかと思っていたら、最後の展開にはびっくり。ラストに効いてくる皮肉が強烈だった。
ほかに秀逸なのは最後にアッとなる「診断」やアーサー・コナン・ドイル「ホイランドの医者たち」。「ホイランドの医者たち」では、当時の男性医師たちの、女医に対する聖書レベルの偏見と、それに対する優秀で理性的な女医が描かれる。
短いながら臨場感たっぷりなのが「人でなし」と「力ずく」。「人でなし」は、警官たちに運び込まれた大暴れする黒人男性患者に、疲れ切っていた医師が人種差別を含む乱暴な言葉遣いと治療をしてしまい、そのことを後々まで悔い続ける話。タイトルにも、その悔恨が込められている。
「家族は風のなか」は、災害医療を通して、ある医師の心が再び動き出していく物語。
「6 最期」の「ある寓話」に描かれる看取りの様子は、静かだ。
そして何より、解説が素晴らしかった。
「文学と医学」の歴史的な成り立ちまでたどっていて、解説だけでもなかなか凄い内容だった。









