
にゅっくり朝丸ロケット
@ntr_
2026年8月5日

セカンド・ショット
川島誠
かつて読んだ
蔵書
非常にプレーンなジュブナイル(小学校高学年向け)
だが本書に収録されている「電話がなっている」だけは40〜50代の読書クラスタにとって特別な一作であろうと断言する。
この掌編は学級文庫向けの叢書「今日はこの本読みたいな」の第一巻「誰かを好きになった日に読む本」に収録されていたのだ。
平成初期の小学生が彼の初恋、その持て余すほど飛び跳ねる気持ちにどう対処していいかわからず救いを求めて手を伸ばした一冊にあったタイトルである。
ドキドキと飛び跳ねそうな、それでいて大人の世界へこっそり連れて行ってくれるかもしれない不思議な予感を孕んだ大切な想いとともにめくったこの作品の衝撃はどうだったろうか。
ごめん、当時音楽教師のくだりとかは正確に理解してなかったけどさ、それでも「電話がなっている」は別格だったんだよ。
この作品が先にあったせいでその後迎える思春期、青年期を通して凡百のラブ・ソングに自分を重ね合わせることが出来なくなった人は僕以外にもたくさんいるんじゃないかと思う。
初恋よりも強烈な本来の意味での「読書体験」を無垢な子供達に叩き込んだ、下卑た言い方をすればトラウマ作品ってやつを大人になってから再読するのも悪くないんじゃないかな。
