
花春
@haru-tuge
2026年8月6日
カトリと夜の底の主
まくらくらま,
東曜太郎
読み終わった
絵本・児童書
エディンバラのファンタジーミステリージュブナイル、3巻目!完結巻!
読み応えが すごい
唐突で劇的ではない、友情の終わりを予感しながらも覚悟をきめて一歩一歩進んだカトリの姿が、彼女の生き方と重なって、キャラクターを丁寧に描いているなあ…と惚れ惚れした。
カトリとリズの視点が規模が違うというか…カトリは地に足つけて生きていけるしそうしなければ生きられないこと、リズは逆に現実を飲み込みながら生きることはできないししないこと、みたいな…対話を重ねるごとにふたりの決定的な乖離が明確化してゆくのが、哀しくも納得感がすごかった。
リズの「呪われることによって自由になる」というのが、こう〜…しんどいなあ、と思う。その感性そのものが現実に生きてゆける人間の傲慢なのかもしれないけれども、でも、彼女はまだ15歳だったのだよなあと思わずにいられない。いや19世紀なので〜!大人になったから解放されるというものでもなかったんだろうなあというのも想像はできるのだけど〜!!
大人になって今以上に屈辱や窮屈さや失望を覚えて傷つく前に「呪われる/この世ならざる力を得てしまった」ことは、リズにとってよかったのかなあ…。
リズはまあ狂信者というかなんというか…なのだけど、「この世ならざる力に魅入られた犠牲者」、カトリを「そんな友人を取り戻そうとする勇者」みたいに描かなかったところが好きだなー。ふたりは対等な友人であり、友人とは一時的に並んで歩くだけの存在である。その考え方が渦中にいるこどもにとっては薄情でつらいというあたりも含めて、フォローが丁寧でやさしい。
イードリン・メイクルさんも好きだったな。人間であり、母親と人間の世界を愛し、だからこそ憂えていたひと。人間的で感傷的なひとが好きなんだよな…。
話のスケールの大きさは1巻から一貫してて、世界観ブレがなくスムーズに読めたのはよかったなー。ずっとクトゥルフみを感じ取りながら読んでいたのだけど、実際のとこどうなんだろう。
他作品も読んでみたいな。
