Satomi "うたう" 2024年11月14日

Satomi
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@satomiww
2024年11月14日
うたう
うたう
小野寺史宜
「ひと」「まち」「いえ」そして「うたう」へ。今作は一人の主人公ではなく、表紙の絹枝を含めて四人が登場し、大学時代から大人になるまでの彼らの連作短編集。 未練や後悔を抱えながらも、それでも過去に縋らず、捨てることもなく前を向いて各々の選んだ人生を歩んで行く姿が、過去作の主人公に重なっている気がした。 四人の主人公達の心情や環境に、それぞれ共感できるところはたくさんあったけれど、わたしは絹枝の物語が最も深く心に刺さった気がする。大切な母を言葉のナイフで傷付けてしまい、それを弁解できないまま母がこの世を去ってしまったときの彼女の情景が鮮明に浮かんできて、気が付いたら泣いていた。 わたしも母を看取ったとき、もっとかけるべき言葉、謝罪、感謝をたくさんたくさん伝えるべきだったのに、泣いてばかりだったなあ。 音楽や、人との繋がりが、主人公達を救って、自分を愛せるようになる。人生の再生とでも言えるような、自然体な成長と優しさが感じられて、思わず歌いたくなるような一冊だった。 なんでも一番安いものを買うんじゃなく、せめて一つ上のものを買えるくらいの幸せを掴もう。
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