
白玉庵
@shfttg
2026年8月6日

盗まれた誇り
A.R.ホックシールド,
布施由紀子
読み終わった
すごい勢いで読み終わった。基本的には、読むきっかけとなった朝日新聞のインタビューの詳細な考証である。サンプルとなるのがケンタッキー州パイクヴィルという地域で、石炭産業の崩壊により社会構造に大きな変化が起きている。そこでさまざまな立場の人の聴き取りをして「恥」がトランプ支持に向かう仕組みを解き明かしている。
盗まれたというのが主要なストーリーになった。盗みに遭った者は被害者だ。ドナルド・トランプは裕福で有名で影響力もあるが、多くの人々にとって被害者意識の強力なシンボルになった。彼は自分の語る真実を疑問視するメディアの被害者だった。そして民主党による非難の被害者だった。のちに彼はーー四件の起訴を受け、九一件の重罪に問われーー州裁判所と連邦裁判所の被害者にもなった。そのような被害者の役どころを演じることにより、トランプは同様に被害者意識を持ちながらもそれを表明する手立てのない支持者の心に訴えた。 p290
トランプは被害者を演じることで、自分は引きずりおろされたと感じている人、自分はだまされている、無視されている、奪われているとも思っている人たちの同情を勝ち得たのだ。喪失に苦しむ多くの支持者に向かって、あたかも宗教的な犠牲者のようなイメージを描き出してみせた。人々は彼を通じて、誇りを盗まれた悲しみに浸ることができたのだ。 p291
しかし、より多くであることが、よりよいのだろうか。それよりも、十分な物資を蓄え、強固なコミュニティを築き、この脆弱な地球をたいせつにすることを目標としてはどうだろうか。極端なまでに過剰な富を減らし、中間層を再建し、わたしたちの民主主義を守るガードレールの強化に努めるのだ。そうした目標を誰もが平等にめざせるようにすることで、最も手痛い打撃を受けた地域に蔓延する恥の感情をやわらげることもできるだろう。 p337
日本のいわゆるネトウヨにはそのまま当てはまらない人種問題や極端な地域差、宗教観があり、いま自分が日々目にしている問題をこれで理解できた、とはならないが、アメリカで進行している状況によって、日本国内に投資がされずにカツアゲされているとか、真似をして人種問題を作り上げる人たちが出てきているとか、多大な影響下にはあるので、本当になんとかしたい。最後の提案はわかるしそうありたいけれど、それはどんな風に被害者意識を拗らせている人たちに届けられるのだろうか。









