ちゃそす
@1000book_zautusu
2026年8月6日
知性はバイアスでできている 賢さと愚かさの計算論的認知科学
サミュエル・ガーシュマン,
長谷川珈,
高橋達二
読み終わった
美しい理論を生み出す一方で、人は時に論理的でない間違えた判断を下す。
人は本質的には愚かなのか?
一見愚かにも思える選択も実は脳の合理性の現れであるのだということを計算論理学的視点で解説する。
筆者の主張としては、一見不合理に思える判断や選択にも合理的理由がある、ということだった。その合理性というのが、近似や帰納を使った効率化だ。
効率的、という点では確かに脳は合理的ではあるのだが、効率よりも正確性が優先される状況であっても効率を求めてしまう行為を「愚か」というのではないだろうか。ただ構造として脳は効率を求める仕様になっていて、それは野生の中で生き抜くのに適応した結果なのだろう。
数々のバイアスが脳で起こっていることをメタ認知した上で判断が下せるのだとしたら、それこそが本当の知性と呼べるのかもしれない。相当困難だろうが。
人は帰納と近似なしには学習することができない。それでも自分の中での信念の更新や補助仮説群がどうなっているのかを観察し続ければいつか、バイアスに寄らない判断に近づけるのではないだろうか。
読んでいてさまざまな理屈が出てきたが、自身の認知の体感と大体一致するように感じた。
近似と帰納による予想。頭の中にある膨大な情報を組み立て上げて予測し、アウトプットするときは近似する。
最後に工学の発展が認知神経学を進歩させたことが書かれているが、私自身も体感としてLLMが私自身の認知への理解を深めているように感じている。
