傘野 "なりすまし" 2026年7月19日

傘野
傘野
@amemoyou0831
2026年7月19日
なりすまし
他人の戸籍を使用している主人公の妻が殺されて、妻も実は別人の戸籍を使用していたことに気がついて…というあらすじはけっこう面白そうなのだけれど、妻が天涯孤独だったはずなのに、その死後ノータイムで仏壇が描写されていたり、主人公が警察に追われている最中にコンビニでマスクだけ買って「変装」とするなど、話の本筋ではないところにモヤっとさせられることが多かった。 またバーの店主に主人公が詰め寄るシーンがあるけれど、なんとなくカマをかけたふうにはなっているものの、手持ちのカードを最初から全部自分から見せてしまうので駆け引きが下手だな…と感じてしまう。あと、刑事から電話で忠告されてから普通に外出していたり、ホームレスに小銭を払って見張りをやらせようとして先払いで飛ばれたりと、それはあかんやろ、という方をいつも選んでしまう感じだった。 ただ、この主人公は理屈ではなく感情で動いていて、それは自身が戸籍を偽っているという後ろめたさと倫理観の最後の一線を守りたい、という気持ちから来ているのだと思った。 妻と娘が別々の人間に殺されていた、というあたりにかなりミステリ的な展開を期待してしまうのだけれど、これはミステリというよりヒューマンドラマとして読んだ方が最後の人情的な結末にもしっくりくるように感じた。
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