
花春
@haru-tuge
2026年8月9日

おによろし
畑中弘子
読み終わった
絵本・児童書
この作品の鬼観、好きだなー!
人を愛して、寄り添って、足掻く、人とは明確に違う生き物。
鬼の助、モクの鬼、鬼のクウ、鬼の笛が好き。
モクの鬼すごい。鬼を体内に宿しながら生きて、鬼が体内にいることに苦しみながら人を愛して守ろうとし続けるモクの木。
現状が何も変わらないまま終わることにびっくりしたけども(児童書にわかりやすい決着と未来への希望を期待しがち)、何度か読み直して、この話は「だからこそいい」んだな…と頷けた。
折り合いなんていつまでもつかないけれど、鬼は確かにそこにいるのだから苦しみながら生きてゆくしかないし、そうして自分の状態に自覚的で気をつけているからこそ、モクの木は魅力的で、皆に慕われる。
木という設定も上手い。自分では動けない、鬼と共に人から離れて孤独を選ぶことができない生き物。
「りっぱだなんて、どうしていうんだ。わたしの中には、おそろしい鬼が住んでいるのに」、そう言えるモクの木だからこそ愛されるのだけど、愛されるほどにつらいんだよなあ…がよくわかるモノローグがいたましくて愛おしい。

