本読みの旅人 "地には平和を" 2026年8月10日

地には平和を
地には平和を
小松左京
初期の短編集。 作者自身の戦争に対するトラウマや、戦後復興期の人間に対する眼差しが作品全体に漂う。 表題作『地には平和を』 太平洋戦争で日本が降伏せず、本土決戦に突入したifの世界線。期せずして原爆慰霊の日に読んだことで、より重くのしかかるものがある。人類は精神の成熟度を上回るような手段を生み出してしまったのか?その手段を使って危険をおかさないと精神が成熟しないのか?という問いが出てくるが、今日の核兵器および核抑止力は正にそれだろう。 『ある生き物の記録』 各話5頁程度のショートショート。 宇宙から見たら太陽系に存在する1つの惑星でしかない地球、科学技術に飲み込まれていく人類という視点でオチまで読むとクスッと笑えたり、少しゾクッとしたり。車やロボットに支配される人間の話が数話あるが、今だとAIや手放せなくなっているスマホなんかは大げさではなく、こののまんまじゃないか?ていうストーリーで。 少し前にNHKで実写化してた星新一のショートショートみたいに実写化しても面白そう。
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