Hitomi "自転しながら公転する(新潮文..." 2026年8月9日

Hitomi
@mllebebexx
2026年8月9日
自転しながら公転する(新潮文庫)
p366 「ふたりの言ってることはよく分かる。はっきりしなくてごめんね。私、本当にどうしたいのかわからなくって。結婚したいとは思うんだけど、子供が欲しいのかどうかはよくわからない。ぶっちゃけると、お金に余裕があれば子供も欲しいけど、余裕がなくても欲しいって気持ちでもない。貫一のことが好きだけど、好きで好きでたまらないってわけでもない。はっきりした感情があるとしたら、自分以外の人が羨ましいってことかもしれない」 p384 私はほんとにクズだ!と、突然叫ぶように思った。 幼稚すぎる。話にならない。 何も決められない、臆病な子供だ。自分の人生なのに誰かが何とかしてくれると思っている。 私なんか誰の役にも立っていない。 ただ消費して、無節操に物を溜め込んでは、愚かに捨てる。 考えてみれば、貫一と結婚することのメリットばかり考えていたが、彼にしてみれば自分と結婚することのメリットなど特にない。 私はただのお荷物だ。 ただのお荷物が誰かに拾ってもらおうと媚びを売っている。 私には価値がなない。 だから人士満々な男に胸を掴まれたりする。 価値がない。 死にたい。 p436 そういえば前の前の恋人は物凄いグルメで、だから狭量だった。入った店で味のよくない料理を出されると別人のように口汚く罵った。 何かに拘れば拘るほど、人は心が狭くなっていく。 幸せに拘れば拘るほど、人は寛容さを失くしていく。 P453 夫や世間からかけられる圧力ばかり気にしていたが、自分がかけていた圧力には無自覚だった。 p521 実の父親でもないのに、本当はこんな夜中に無理して出ていくのはどうかとは思っていたが、それを飲み込むのが「連帯すること」だと都は思った。人の思い入れはそれぞれで、貫一がその人の死に目にあいたいというのであれば否定してはいけないと思った。
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