
Saki ❁
@saki_h
2025年3月31日

読んでる
パリで1832年3月末より始まった爆発的なコレラの感染拡大期には,感染が毒の散布による人為的なものだという噂が拡まった。そして4月1日からは,噂を信じ蜂起した市民によって警察の出先機関などが襲撃された経緯を描いているが,筆者は市民の行為を衆愚の事例とはしない。19世紀のパリには人びとの結びつきが溢れていたからこそ,コレラによって仲間らが死にゆく姿を目の当たりにした時,災禍は外的に引き起こされたものではならなかったし,路上に集団で現れるしかなかったのだという。