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2026年8月12日
ストリート・キッズ【新装版】
ドン・ウィンズロウ,
東江一紀
新装版が出るという情報をみかけて、ドン・ウィンズロウはこのデビュー作もかなり好きだった、ということを思い出した。
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「音楽に乗って踊る客たちは、心の奥底から湧き出てくる情熱に突き動かされており、それを見たニールは、一晩じゅうパンクを見下していた自分に、恥ずかしさを感じた。これは持たざる者の歌なのだ。千年に及ぶ階級社会を弾劾する怒りの叫びなのだ。ダンスフロアの客たちは、体をぶつけ合ったり、飛び跳ねたりしながら、他人をなぎ倒すような勢いで、ぐるぐる回り、お互いに怒りを発散していた。」
これは「生粋のニューヨーカー」が行方不明の少女を探しに訪れた街のクラブで、ひどい名前(死を呼び精液)のバンドのショーでパンクロックに感銘を受けこのあとめちゃくちゃにポゴるシーン。
舞台は1976年のロンドン、主人公と当時の作家の年齢は同じ23歳。十数年後に同じくロンドンで入院中の時間つぶしと現実逃避のために書かれた小説は、デビュー作独特のそれまでの経験を詰め込んだ感(とそれこそパンクロック的な初期衝動)がやっぱりあって、このシーンや感慨もきっと実体験に基づいているのだろうと思った。
それと同じく、「ストリート・キッズ」が馴染めない私立学校で教師に渡されたディケンズの「オリヴァー・トゥイスト」で読書に目覚めるというエピソードもきっとそうで。
「読書はすてきだった。読書はすばらしかった。本を読んでいれば、寂しさとは無縁でいられた。寒気も恐れも感じられず、いつもそばにいるように思えた。」
いまわたしも、結構、そういう気分です。そんな経験をした(このエピソードも作家の経験だと信じてしまえば)人間がその後に小説を書くようになる、というのも納得出来たりして。
先に読んでいた年老いたこのシリーズの主人公が登場する短編に出てくる「けんか術」の初出が読めたのもちょっと良かったですね。
わたしが読んだのは「旧新装版」という感じなのかな。








