
脱兎
@lubudat
2026年8月13日
シングル・マン
クリストファー・イシャウッド,
真野泰
読み終わった
いつの間にか買って読んだ。最近は訳者解説はウェブで!見たいのがあんだね
いやー…身につまされるお話でした。主人公はゲイの独身者、わたしはヘテロセクシャルの独身者である。いつ何時、こうなるかわからない。
ジョージにかかった呪いは、他ならぬジムの呪いであった…という構造。キリスト教的因果論なのかもしれないが、私にはジョージにとっての救いでもあるなあと思った 神様の思し召しは個人の望みとは必ずしも一致しない。ジョージは(映画版とは違って)諦めてないしまだ生きる気ではあったのだが その辺りは大いにキリスト教的だなあと 個人の求める望みは奪われても、一つ上のレイヤーから見れば大団円ではないか、というような。
ジムとジョウジの愛はこうして永遠となり、二人が分たれた後も神によってがっちり結び合わされている。そういう意味ではこの作品の神はゲイだろうがなんだろうが二人の人間の愛に厳格である。浮気は許しませんよ、というのはもちろんだが、同性だろうが神の前に誓ったカップルのように添い遂げざるを得ないのだ。二人は。
時代は第二次大戦で日本に原爆を落とした後のアメリカ。主人公はイギリス人で、アジア人にそこはかとない親近感すら持っていて、アメリカのデリカシーのなさと文明破壊に内心怒りを覚えている。そういう視点でこの頃をかけることと、何より灯火管制だのなんだのがこんなに明るく響く戦後作品って日本ではあり得ないからなー。まさに、裏側の戦後である。今の季節に読むのがぴったりだった。
コリン・ファースのジョージのめちゃいいから映画版もぜひ見て。
