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@bunkobonsuki
2026年8月14日

敗者の想像力 (集英社新書)
加藤典洋
8月15日を前にして、日本人は何を考えるのだろう。私はこう思っている。
「何も考えない」
随分過激な物言いだと自分でも思う。
しかし、第二次世界大戦が終わり、アメリカ軍に占領されたという事実を、日本人は進んで忘れてきた。日本には、敗戦の記憶、"敗者の想像力"が欠落しているといってもいい。
『敗者の想像力』は「日本が戦争に負けた」ということをどう忘れ、どう受け止めたのか、考察する本である。
原爆を擬人化した特撮映画『ゴジラ』や、大江健三郎など一部の作家の作品には敗戦を受容する試みがあった。
それでも時代が下るにつれて『ゴジラ』も大江健三郎も敗戦を下地に理解されなくなる。それはそれ、単体の物語として理解される。
8月15日。
それは悲劇の終わりとされる日である。
問題は悲劇の終わり方だ。
悪感情を忘却するのは良いことである。
怨みを残さないのは後世に受け継がれるべき慣習であると思う。
しかし、当時確かに敗者として作られた作品群たち、彼らが生まれた意図を忘却してしまうのは、いかがなものか。
記憶することで悲劇を終わらせることはできないものか。

