
どんぐりころすけ
@dongrik
2026年8月15日
神を生み出す脳
藤井修平
読み終わった
なぜ神や宗教が生まれるのかを、人間の認知特性と組織行動からアプローチした一冊。
「神を生み出す脳」というタイトルだが、おそらく著者が本当に主題にしたかったのは「現代の日本人は無宗教か?」というテーマなんじゃないかと推察。
■神を生み出す原理
一応主題に乗っかって神を生み出す原理を自分なりに解釈すると、
①ホモサピは都合のよい超越的存在を作り出しがち
②集団生活する上では超越的存在(規律の源泉)が生を保護する
の2つと理解。
圧倒的な自然現象など、人間が理解できない、説明がつかないことは、超越的存在のせい(おかげ)にすると丸く収まる。たたりとか。シーツのシワを寄せておける部分として機能する。
また、法律やルールがないと集団生活が成り立たないので、超越的存在を設定しておくことで共通の価値観をもとに安全に生活できるようになる。(妄信的に超越的存在を信じるというよりは多少恣意的なムーブ)
本文では他にも擬人化など、人々が長く特定の神や宗教と付き合ってこれた理由など論じているが割愛。
■現代の日本人は無宗教か
このテーマで勝手にスポットをあててみる。
著者は「推し活は宗教か」というテーマに熱が入っている印象。
著者の主張を僭越ながら自分の言葉でリフレームしてみると、
・ガチ恋は推し活とは区別される。
・推し活とは、尊さを源泉として見返りは強く求めず、公式(運営)の意図に寄り添った活動。
・これはまさに神、宗教への向き合い方と近い
つまりいわゆる宗教と明確に区別はできないよね、という主張だ。
個人的にはガチ恋と推し活を区別する切り出し方に興味をひかれた。強く見返りを求める姿勢があまり良しとされていない部分に、いわゆる宗教といわれているものと近しいものがあるのだろうか。
『恋愛感情を抱く「ガチ恋」とは異なるとされている場合も多く』
『推し活というのは、ファン活動の光の部分とでもいうべきか、経済的・ビジネス的な流れにとって都合のいい部分を取り出したものなのかもしれない。』
■この先の宗教の在り方
ここから先は自分の考え。
宗教は必要なのかについて、少し考えてみたい。
集団生活のルールとして機能していた宗教は、法治国家として法律、警察といった治安を保護する仕組みが成熟してきた現代日本では、直接的には不要になりつつある。
一方で、倫理観や道徳的な部分は個人に任されていて、格差が広がる傾向にある。
ルールはなくとも、お天道様が見てるからと、他人を思いやり、倫理観をもって自律していた時代がレベル100だとすると、現代は法治国家になったことで、ルールを守ればいいというレベル1の世界に転落したように思える。(田舎のヤンキーの仲間意識の方がレベル高い)
また、精神的な拠り所として、推し活がそうであるように、居場所としての役割が必要だ。
倫理観と精神的な拠り所、この2つをサポートしてくれるコミュニティとして、宗教(オールドスクールなものだけではなく、推し活など姿形を変えたものでも何でもいい)は必要だ。
おそらく難しいのは、そういったコミュニティを選ぶことが完全に個人に委ねられていて、ここでコケる人が一定数いることだ。(変な団体に属してしまったり。)
歴史のある宗教はその点が保証されてるが、現代では逆風だ。
まとめると、推し活を含む姿形を変えた健全な宗教は増えたほうが良いので、頑張ろうニッポン。
