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どんぐりころすけ
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@dongrik
  • 2026年8月23日
    都々逸の世界
    都々逸の世界
    『三千世界の 鴉を殺し 主と朝寝が してみたい』 高杉晋作の都々逸(どどいつ)に感化されて、都々逸とは何かを理解しようと手に取った一冊。 俳句や短歌もいいけど、都々逸って何か響くんだよなあと思ってた理由がわかってとても良かった。 形式的には俳句は五七五、短歌は五七五七七に対して、都々逸は七七七五。 『君は吉野の   七  千本桜     七  色気良けれど  七  き(木/気)が多い 五』 そして内容的には、俳句は「季語」で、都々逸は「粋、洒落、うがち」。「うがち」は、人情の機微や本質を突くことをいうらしい。よき。 『主とあたしは 卵のなかよ あたしゃ白身で きみを抱く』 ちなみに、「主」は男性を指していて、女性は「あたし、わし、わきち」みたいな表現らしい。 高杉の都々逸の「主」は女性側を指してるものと思われるが、逆の解釈もできる模様(うるさい鴉を殺して高杉を起こさなければ戦いに行かせずに済む)。 江戸時代に生まれたもので花柳界で発展した文化。色恋、男女、夫婦、ユーモア、切なさ、諦め、教訓などが特徴。 女性側の心意気を表現したものがしびれる。 『挿した柳が ついたじゃないか 思うてとどかぬ ものはない』 (柳の枝を切って地面に挿しておいたら、ちゃんと根が出て、ついた。一途に思い続けていれば、きっといつかは実現するさ。) 色っぽさもある。 『明けの鐘 ゴンと鳴る頃 三日月がたの 櫛が落ちてる 四畳半』 (夜明けになる頃には女が刺していた櫛が床に落ちている、狭い部屋で。) 最後の句で謎が解けて初めてわかるという楽しみ方が多い。 ちなみに、最初の方で色系かなと思わせておいて全然違った、みたいなパターンを破れ句(ばれく)というらしい。 『横に寝かせて 枕をさせて 指で楽しむ 琴の糸』 という感じで、人の心情やユーモアを軸に置いた言葉の楽しみ方が都々逸の特徴で、自分の好みと合ってるなあと思った。 知人にそそのかされて始めた勉強だったが、新しい発見ばかりでとてもいい機会になった。 都々逸作ってみるか。タイミングをみてしれっと更新しておこう。
  • 2026年8月16日
    北斎のデザイン 冨嶽三十六景から北斎漫画までデザイン視点で読み解く北斎の至宝
    葛飾北斎のダイナミックな構図が3分割法で説明されており、いわれてみればと。 対角線をうまく全体に配置することで躍動感が生まれている。 富士山の位置を全体の少し低めに位置させることで、景色を見下ろしている雰囲気を感じる。 写真も同じだなと思った。 言及はされていなかったが、どこかかわいげのあるテイストの一因として、マクロ的には透視投影(奥のものほど小さい)で、手前の建物は平行投影で描いているという特徴もある気がする。
    北斎のデザイン 冨嶽三十六景から北斎漫画までデザイン視点で読み解く北斎の至宝
  • 2026年8月16日
    アランの幸福論
    ざっと意訳するとこんな印象 ・くよくよ考えないで行動しなさい ・受け身になるな、能動的でありなさい(自分で選んでいれば楽しい) ・見たり聞いたりするだけじゃなく自ら実行しなさい ・幸せになろうとしなさい 意志の力をもって自ら行動している限りは幸せ、と言っているように思える。 陽明学みを覚える。 原因があって幸せになるのではなく、幸せ(に振る舞う)だから原因がついてくるという考え方。 思ったよりパワー系だった。 『困難なことに全力をつくしている人は、まったく幸せである。』 『悲観主義は感情からくるもの、楽観主義は意志からくるもの』 『一度も自分で歌ったことがなくてただ聞くだけならば、たいしたことはない。(中略)重要なのは、ただ評価するだけではなく、自ら求めていき、自分のものにしてしまうことなのである。』 『自分を愛してくれる人たちのためにできるいちばんいいことは、自分自身が幸せになることなのである。』
  • 2026年8月15日
    神を生み出す脳
    なぜ神や宗教が生まれるのかを、人間の認知特性と組織行動からアプローチした一冊。 「神を生み出す脳」というタイトルだが、おそらく著者が本当に主題にしたかったのは「現代の日本人は無宗教か?」というテーマなんじゃないかと推察。 ■神を生み出す原理 一応主題に乗っかって神を生み出す原理を自分なりに解釈すると、 ①ホモサピは都合のよい超越的存在を作り出しがち ②集団生活する上では超越的存在(規律の源泉)が生を保護する の2つと理解。 圧倒的な自然現象など、人間が理解できない、説明がつかないことは、超越的存在のせい(おかげ)にすると丸く収まる。たたりとか。シーツのシワを寄せておける部分として機能する。 また、法律やルールがないと集団生活が成り立たないので、超越的存在を設定しておくことで共通の価値観をもとに安全に生活できるようになる。(妄信的に超越的存在を信じるというよりは多少恣意的なムーブ) 本文では他にも擬人化など、人々が長く特定の神や宗教と付き合ってこれた理由など論じているが割愛。 ■現代の日本人は無宗教か このテーマで勝手にスポットをあててみる。 著者は「推し活は宗教か」というテーマに熱が入っている印象。 著者の主張を僭越ながら自分の言葉でリフレームしてみると、 ・ガチ恋は推し活とは区別される。 ・推し活とは、尊さを源泉として見返りは強く求めず、公式(運営)の意図に寄り添った活動。 ・これはまさに神、宗教への向き合い方と近い つまりいわゆる宗教と明確に区別はできないよね、という主張だ。 個人的にはガチ恋と推し活を区別する切り出し方に興味をひかれた。強く見返りを求める姿勢があまり良しとされていない部分に、いわゆる宗教といわれているものと近しいものがあるのだろうか。 『恋愛感情を抱く「ガチ恋」とは異なるとされている場合も多く』 『推し活というのは、ファン活動の光の部分とでもいうべきか、経済的・ビジネス的な流れにとって都合のいい部分を取り出したものなのかもしれない。』 ■この先の宗教の在り方 ここから先は自分の考え。 宗教は必要なのかについて、少し考えてみたい。 集団生活のルールとして機能していた宗教は、法治国家として法律、警察といった治安を保護する仕組みが成熟してきた現代日本では、直接的には不要になりつつある。 一方で、倫理観や道徳的な部分は個人に任されていて、格差が広がる傾向にある。 ルールはなくとも、お天道様が見てるからと、他人を思いやり、倫理観をもって自律していた時代がレベル100だとすると、現代は法治国家になったことで、ルールを守ればいいというレベル1の世界に転落したように思える。(田舎のヤンキーの仲間意識の方がレベル高い) また、精神的な拠り所として、推し活がそうであるように、居場所としての役割が必要だ。 倫理観と精神的な拠り所、この2つをサポートしてくれるコミュニティとして、宗教(オールドスクールなものだけではなく、推し活など姿形を変えたものでも何でもいい)は必要だ。 おそらく難しいのは、そういったコミュニティを選ぶことが完全に個人に委ねられていて、ここでコケる人が一定数いることだ。(変な団体に属してしまったり。) 歴史のある宗教はその点が保証されてるが、現代では逆風だ。 まとめると、推し活を含む姿形を変えた健全な宗教は増えたほうが良いので、頑張ろうニッポン。
  • 2026年8月13日
    三体0 球状閃電
    三体0 球状閃電
    球電を題材にした軍人一家の父娘の物語。 ある意味でどこか欠乏、空洞のある人物にスポットを当てて世界を作っていくのは、著者のスタイルだなと感じた。 悲しい過去によって生まれた心の空洞を取り憑かれたように埋めようとして、幸か不幸か生きる意義を与えてくれてしまう強い原体験に出会ったあとの人間の強さと脆さを表現している。 自分の母親(と自分も)を見てるようで、どこか想像できてしまって、悲しくなった。 ソフォンの存在、タイラーの当初作戦へのつながりを感じさせてくれて良かった。 ------- ■林雲が父親に伝えたかったこと 誰よりも早く兵器を作り出すことに生きる意味を見出し、確信してしまった林雲は、自身が怪物であることを自覚していて、そうなってしまった理由を父親にわかってほしかったのだと思う。 けどそれは、理解してほしいというより、幼い頃に一緒に時間を過ごしてくれなかった父親への当てつけとして。 まるで、子どもがうまく言葉にできない自分の感情を親にぶつけるように。 『「なるほどね。林雲、きみは今回の失敗のショックで子どもに戻ったんだな」 「もともと大人になりきれてなんかなかった」』 『こうして林雲は、心の奥深くにずっと秘めていた気持ちを吐露した。まわりの人たちがこの話にショックを受け沈黙しているのに対し、彼女はすっかり晴れやかな気持ちになっているようだった。』 『わたしは軍の中で育ったんです。生きていけるかどうかわからない──ほかの場所では。それに、ほかの人とも』 ■もしタイラーのゴースト作戦をやるなら 課題だらけでとても難しそうだけど考えてみる。 三体人は常に観測している、というワーストを考えると、そもそも成立しない。 ギリ観測してなかったとして、舞台の設定通りに、量子化した後に時間とともに存在しない確率が高くなるとすると、攻撃時に存在する側に収束させる必要がある気がするが、確率下がってて難しくならないか? つまり、いつ量子雲状態に移行するかが大事になる。でも三体人と遭遇する直前で移行するとして、その時はすでに見つかってる気がするので、これまた難しい。 最初から詰んでる作戦な気がする。 ------- まとめると、 良くも悪くも無意識に、幼い頃に負った傷跡を舐め続けるのが、動物の習性なんじゃないかなと。 以上です。
  • 2026年8月1日
    三体X 観想之宙
    三体X 観想之宙
    煽る智子、取り乱すチェン・シンにゾクゾク。 原作ではどこかずっとバーチャルに生きる印象を受けたが(本気で意思決定してない、誰かのせい、悲劇のヒロイン)、最後の最後で人間味が溢れてて良き。間違いなく一番輝いていた。 あと登場人物が一通り番いになっていて、ここまでやってくれると逆に気持ちいい。 ---ここからもうちょい本気の論考--- ①潜伏者の正体について 宇宙の10次元構造と時間の因果の設定の出来が良い、最後まで辻褄を合わせられる耐久性がある。 10次元の息苦しさから時間を求めて低次元化する、このコンセプトに共感を覚える。 「完璧な対称性と永遠の普遍性を持つ十次元宇宙は、彼らにとって息が詰まる宇宙だった。」 「次元崩潰が進むにつれて、(中略)彼らは、消えてしまうかもしれないリスクをおかしてでも時間にこだわり、もっと多くの時間を求めている。」 現代は色んなものが便利になって、ルールも成熟してきていて、粗野でカオスな要素は失われつつある。世界のエントロピーが下がる=秩序立った完璧な世界、に近づいていて、すでに存在するものが正解で、余白なんて無いように思える。 もし余白がたくさんあれば、頑張れば未来はより良くなると思える。つまり未来がある。 けれど、すでに完璧な世界なら何も作用する必要はなく、未来は無い。 つまり、時間という概念も必要なくなる。 今直面してるのは、ある意味で、時間という概念が不要な高次元への次元逆転を進めているともいえる。 でも、我々が本能的に欲しているのは、余白、人の手によって変えられる未来、意味のあるイマココが存在する時間の概念がある世界、つまり、低次元な世界。 我々こそ潜伏者なのかもしれない。 ②著者の哲学感、生きる意味について 正解をなぞる世界に意味は無いと思えてしまう。意味を自ら作り出すことに意味がある。なぞってるように見えるけど、それをまた繰り返したいと思えるなら意味がある。 決められたシナリオをループするという永劫回帰という概念、そして、そんな世界でもまた繰り返したいと思えるくらい本気でイマココを味わう態度の主張、おそらく著者はニーチェが好きだと思う。 「時間は、創世神が授けてくださった贈りものであり、そなたらはこれを無下にしてはならぬ。最終的に、すべては無に帰す。それでもなお、そなたらは残された一時粒一時粒を、一時節一時節を、一時糸一時糸を味わい、慈しみ、楽しまねばならぬ。生命の真の意味は、それに尽きる。」 まとめると、次元のスクラップ&ビルドによるイマココへの手応えと、この世界への能動的な意味付けが、生きる実感を与えてくれる。
  • 2026年7月20日
    夜と霧 新版
    夜と霧 新版
    感想というよりメモ。 自分がその立場になったらどう振る舞うか。 同調圧力ならまだしも生死がかかったその中で自分の正義を保てるのか、現代の平和な資本主義ゲームに身を置く自分でさえ膝まづいて演じてしまわないか。抵抗できるのか。抵抗できなかったら殺してくれ。でも、ここに自分の本旨がある気がする。誰にも奪えないもの。 未来に目的をおけるか。 核家族でなくなったこの世界に、人のつながりを拠り所にして未来の目的とできる人間がどれだけいるのか。 もっと大きな、大義が必要だ。 でも、現代は余白が少ない。 苦悩を先送りにしただけの人と、そうじゃない人の違いは、主語の大きさが違う。 著者は人類として見識を記している。人類としての大義を掲げられるか。境界を引くのはいつも自分自身。 主語が大きくなれば、個人は強くなるのかもしれない。 統治される未来、自治の概念を失った先に、本当の幸せはあるのか。 まとめると、 主語の大きさと、プライドが、その人たらしめる。 -------------- メモ 速記術を始めとしたその場のリアルな能力、人間自身の限界に挑むようなことは、少なくなってしまった。叡智とプライドを失いつつある。 抗える準備がない。
  • 2026年7月18日
    三体3 死神永生 上
    三体3 死神永生 上
  • 2026年7月18日
    三体2 黒暗森林 下
    三体2 黒暗森林 下
  • 2026年7月18日
    三体2 黒暗森林 上
    三体2 黒暗森林 上
  • 2026年7月18日
    三体
    三体
  • 2026年7月15日
    三体3 死神永生 下
    三体3 死神永生 下
    5巻を通しての感想。 圧倒的スケール。巻を重ねる毎に広がるスケールにどこまで広げるのか不安もあったが、宇宙の空間と時間の果てまで広げた上で、見事に描き切ったと思う。 宇宙に対するスケールを見誤っていたと気付かされる。宇宙の怖さ、寂しさ、途方も無さを想像させてくれる。 宇宙の壮大なスケールを背景にしながらも、物語の主旋律は小さな個人の想いで紡がれていく。 イエウェンジェ: 文化大革命という狂気に傷つけられ人類に絶望し、悲劇のトリガーを引いてしまった。ルオジーに暗黒森林の示唆を託し、失意のもとこの世を去った。まあ、開けてみないとわからないよね、パンドラの箱かどうかは。 ルオジー: 面壁者として理想の恋人を手に入れ、入れ込んだあげく、ちゃんと怒られて愛する人を取り上げられてからキマる。身を投げ出し、暗黒森林という構図を解き明かし三体人による侵略を抑止状態に持ち込むウルトラCを体現したヒーロー。覚悟がキマりまくったせいで妻子に逃げられるが、太陽系が2次元になるその直前まで、人類滅亡を避けるための手助けをし続けた仙人。何故かわからないが、亀仙人みを感じる。 チェン・シン: 人類は犠牲にできないけど地球も守りたいどうしよう!でもとにかく犠牲は払えない!で、太陽系を死に追いやった人。その美貌からいつも誰かに助けられているが、ユンティエンミンを始めとして、ある意味周りの人を(意図せず)動かし続け、巡り巡って人類滅亡を阻止したともいえる。最期に宇宙に質量を戻す決断をしたのは性善説的な母性愛を信じる彼女だからこそ、と持ち上げておく。 ユンティエンミン: 想いを寄せ続けたチェン・シンに、久しぶりの再会と同時に脳だけにされ、宇宙に放り投げられたあげくあらぬ方向に飛ばされた不遇の男。キャッチしてくれた三体人にはこの時ばかりは感謝しただろう。崇高なオトギ話で宇宙の現代戦のメカニズムを人類に伝え、文字通り頭脳で地球を救ったヒーロー。報われない、でも捧げ続けた愛の男。最後AAと幸せに過ごしたならそれはそれでよかった、のかな。 ウェイド: 何も求めず、狂気の沙汰でありながらもただ人類を守る選択をした真のヒーロー。この人がいなかったら、ユンティエンミンの脳を三体人に届けるヘイルメアリーパスは実現せず、宇宙は解き明かせず、光速宇宙船も作れぬまま、太陽系生命体は宇宙最後のときを迎えられなかった。実際いるよね、こういう人。 物語の構図として、恋に落ちた男性諸君が鼻息を荒くして何とか解決する流れになっている。 その過程は、ボクが考える理想の恋愛、のような現実味がない流れで違和感を覚えるが、男の単純さをデフォルメして表現していると考えると、わりと現実世界もこんな感じな気がしなくもない。 個人的に、惑星ブルーに到着する直前で破裂したデスラインに捕まり1890万年経ってしまった表現として草木の色が紫になっているシーンがあるが、情景が鮮明に浮かび、長い時が経ってしまった哀しさを感じとれる。色で表現しているところが好き。 壮大さの中に、著者の癖も見え隠れする、ちゃんと組み立てられた物語で楽しめました。 最後に違和感ポイントを残して終わりにする。 ・4次元で水滴倒したところ偶然すぎないか ・なぜ三体世界は三体系の座標を送信されたときに報復として地球座標を送信しなかった(自分が見落としてるだけ?) ・なぜジュアンはルオジーのこと好きになった ・三体というタイトルは三体世界はそのとおりだが、その後の展開的には何かのメタファーになってるのか
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