
化皮
@bakenokawa813
2026年8月16日
もういちど
畠中恵
読み終わった
読み返した
読み返ししゃばけシリーズ22冊目。
ファンタジックな始まりから誰でもない健康な坊ちゃんのドタバタお江戸ライフに……。一つ前の両親なしで店を切り回すエピソードからのこの「あの若だんなが健康に!」という状況がもう,ずっと寝込んでるからこその強制安楽椅子探偵状態に慣れた読者的にはちょっとそれだけでも涙が出そうな「よかったね若だんな……」感と、「このままお話の形態が大きく変わっていくのかな」という一抹の寂しさとで頭の中くちゃくちゃになる。とはいえ読んでいる間じゅう、「もしまた元の病弱な若だんなに戻ったら、一回健康を経験した若だんながまた寝込みがちな毎日に戻るわけで、それは残酷だよなという不安も付きまとう。健康がどんな状態か知ってしまったら戻るのは辛いのではと。
でも、育ち直すからこその経験も間違いなくあって、若だんなはメンタルが紆余曲折してもちゃんとそこを肯定的に捉えられる人だという信頼もあるんだけど。
終盤に、奉公をはじめてすっかり長崎屋の人感が出ていた屏風のぞきと金次が瞬間的に怖い妖ものの顔をするところがあって、それが最高だった。普段可愛くて怖くないお化けが怖い顔を見せる瞬間がたまらなくて、その1行が、1コマが、一カットがたまに現れるのを楽しみに、怖くないお化けもののお話を楽しみたくなるみたいなところがある……。