
化皮
@bakenokawa813
読んだ本の記録です。大概毎年年間30冊程度。
気に入った本を極端に繰り返し読む傾向にあります。
- 2026年8月25日
バートラム・ホテルにてアガサ・クリスティ,乾信一郎読み終わった本屋さんにあるクリスティの本を、その時あるものの中から気になった順に買って読んでるのだけど、この本は「ミス・マープルだ……!」とウキウキしながら(マープル派なので)読んだら、マープルの出番はそこまで多くないというか、ほとんどやることをやったのはおやじさんで、マープルは証言者としての立ち位置が大きかったので、あー!もっとマープルの活躍が観たい……!となった。とはいえおやじさんもとてもいいキャラ。 ここまで読んだシリーズの中では後味が悪めというか、容疑者が方の裁きを受けないお話は他にもあるけど、なんというか……悪いことをした人たちの気持ちの良さみたいなものにものすごい落差があって、なんとも言えない気持ちになった。 - 2026年8月16日
- 2026年8月16日
もういちど畠中恵読み終わった読み返した読み返ししゃばけシリーズ22冊目。 ファンタジックな始まりから誰でもない健康な坊ちゃんのドタバタお江戸ライフに……。一つ前の両親なしで店を切り回すエピソードからのこの「あの若だんなが健康に!」という状況がもう,ずっと寝込んでるからこその強制安楽椅子探偵状態に慣れた読者的にはちょっとそれだけでも涙が出そうな「よかったね若だんな……」感と、「このままお話の形態が大きく変わっていくのかな」という一抹の寂しさとで頭の中くちゃくちゃになる。とはいえ読んでいる間じゅう、「もしまた元の病弱な若だんなに戻ったら、一回健康を経験した若だんながまた寝込みがちな毎日に戻るわけで、それは残酷だよなという不安も付きまとう。健康がどんな状態か知ってしまったら戻るのは辛いのではと。 でも、育ち直すからこその経験も間違いなくあって、若だんなはメンタルが紆余曲折してもちゃんとそこを肯定的に捉えられる人だという信頼もあるんだけど。 終盤に、奉公をはじめてすっかり長崎屋の人感が出ていた屏風のぞきと金次が瞬間的に怖い妖ものの顔をするところがあって、それが最高だった。普段可愛くて怖くないお化けが怖い顔を見せる瞬間がたまらなくて、その1行が、1コマが、一カットがたまに現れるのを楽しみに、怖くないお化けもののお話を楽しみたくなるみたいなところがある……。 - 2026年8月10日
いちねんかん畠中恵読み終わった読み返した読み返ししゃばけシリーズ21冊目。 長崎屋夫妻が一年の長い湯治の旅に出て、若だんなが店を預かる間の様子を描く。なんだかもう、“両親の不在に店を預かる若だんな”と聞いた時点で「若だんな……立派になられて……!」みたいな仁吉か佐助のごとき心境になってしまう。お赤飯を炊きたい。 何度も言うけど、時空を止めてサザエさん的に一切変わらない状況を描き続けることもできるのに、少しずつ状況を変えていきそれでも続けているのがしゃばけシリーズの好きなところ。 それから今作でようやく金次と屏風のぞきの奉公が始まるけど、しれっと前の『またあおう』ですでに奉公してたので少し混乱が。連載順と文庫収録順の兼ね合いだろうか。 この2人の奉公も状況の変化として美味しく効いている気がする。若だんなが少しずつ病気してばかりでなく店に進出していくにあたって店の方にもっと妖が必要になってこうなった感が。 本当にいつまでも連載していてほしい。死ぬまで読みたいので畠中恵先生には健康に長く執筆を続けていただかなくては。 - 2026年8月4日
読み終わった「これこれこういう状態であればそれは半うつなのです。その段階でこのようにして対処していきましょう」という、「コレステロールが高いと言われた時点で食事に気をつけて過ごし本当に病気になるのを防ぎましょう」みたいなお話かなと認識した。とはいえみんな自分の、あるいは他人のメンタルの悪化には疎いものだから、そこらへんものすごく何度も説明されていて、「人って不調を信じようとしないものなのかな」と思う。 覚えておいた方がよさそうなことはたくさんあったんだけど、それより、最後の最後にレジリエンス(元に戻っていく力)の話のところで、著者の方自信の、あるいはその知人や関係者の東北震災のリアルなエピソードが次々に紹介され、それに圧倒されて印象が全部持っていかれてしまった。涙が出てくる。これらの地獄のエピソードのあとにくる「生きているだけでいい」は腹に響くような重みがある。最後の所だけでも読んでほしいかもしれない。多分最後の所を読んだら最初から読みたくなると思う。考えていたのと全然違う重みを残される読書だった。 - 2026年8月3日
邪悪の家アガサ・クリスティ,真崎義博読み終わったすごかった!本文は本当に、すばらしかった。やはり人が思いつける推理小説のパターンは全てアガサ・クリスティがやり切っているという言説は間違いはないらしい。やられたー!!と思いながら布団に大の字になる素敵な夜を過ごした。 過ごしたんだけど、ちょっと、何と言うか、以下楽しい文章ではないです。 解説で驚いて言葉がないです。90〜2000年代の個人サイト全盛期によく見た「作者とキャラクターの対談」のようなものが他人の名作小説の解説として載せてある光景というのは、ちょっと、思いつきませんでした。本当に言葉がないです。 関わった人はみんなこれでいいと思ったんでしょうか。ライトノベルの作者本人による後書きでキャラクターとの対談があるのは見たことがあるし、ライトノベルなら友達の作家の作品の解説でそれをやっても良いノリがあるかもしれないけど、ちょっと……クリスティの解説で?と……。私は結構、だいぶ、無理でした。 耐えられないのでここで言葉にしておき、気が済んだら消します。 - 2026年7月29日
推し、燃ゆ宇佐見りん読み終わった「面白い」とは、なんだろうと思う。 この本が面白いかというと、そうは答えづらい。無限の地獄が連なっていて、その地獄の中で歩くための命綱が、この子にとっては「推し」だった。物語の中心部は推しが燃えたことによる感情の動揺というより、命綱とこの子の体を繋いだカラビナの破損と、バランスを崩し続け地獄の底に落ちていってどこにも掴まれない落下の過程にある。 止めることができずに最後まで読んだ。そういう本を、普通「面白い」と表現する。でも、じゃあ、戦争で死んでいく人々を描く映画をみて面白かったと言うだろうか。なんか、それはなんかちがう。 interestingの方の面白いだと言ってしまえばそれはそうかもしれない。でも、この延々続いて多分出口のない、もう2度と人生で唯一と思えた命綱にアクセスできなくなって、自分では本当にどうしようもない、出口に到達しようのない地獄の中にいるこの子が、これからどうして生きていくのか、わからなすぎる。それがリアルに自分に重なってきて苦しい。私は同じような単推しはしていない。でも、人に宗教があり、人に崇拝する恋人があり、人に支えにする人生の指針があるように、人に推しがいるという場合がある。私の命綱はなんだったろう。 覚えのある感覚と、多分一生出られない地獄への共感。 面白くない。面白いという言葉を当てるのは適切ではない。でも、どこまでも面白い小説だった。としか、言いようがないこの感想を、どう飲み込めばいいのか、よくわからない。 えぐい。 - 2026年7月25日
またあおう(新潮文庫)畠中恵読み終わった読み返した読み返ししゃばけシリーズ20冊目。二つ目の外伝! ようやく最新刊が見えてきた。最新まで読んだらアニメを見返そうかなと思っています。 これまで若だんなと同じく秋英さんのこともぼんやりと「この人大丈夫かな」という心配がどこかにつきまとっていたのが、『かたみわけ』で、大丈夫そう!という印象になるのが嬉しい。きっとそのようにして、寛春も大丈夫なんだろうなという想像もわいてくる。 『かたみわけ』といえば、外伝は若だんながあまり出てこない分、他キャラにスポットが当たっていたり時代が違ったりするけど、『かたみわけ』でこのしゃばけリアルタイムの少し先にある未来を見られたことで、ある種の安心感ができてくる感じ。 イメージとしては若だんなの顔はずっと映らなくて後ろ姿や鼻より下だけが見えているような絵作りなんだろうなと思う。他キャラが活躍するのが楽しいのでしばらく夢中で読んでるけど、しばらくすると寂しくなってきて、やっぱりいつもの離れで寝込んでる若だんなに会いたくなってくる。次、行きます。 - 2026年7月20日
オリエント急行の殺人アガサ・クリスティー,山本やよい読み終わった読み返した読み終わって色々な伏線の確認にもう一回読みたくて最初から読み直したので2回読んだ……。やっぱり抜群に面白いのと、アガサ・クリスティ作品ってもしかして基本的に子どもに無体を働いた悪人は許されない傾向にあります……?よね? そのあたりが好き。 - 2026年7月6日
- 2026年6月30日
むすびつき畠中恵読み終わった読み返した読み返ししゃばけシリーズ18冊目。生まれ変わりをテーマにした短編5篇。『昔会った人』が好きだった。ビードロといい、若だんなは青い小物に縁があるというか、青い小物が縁を繋ぐのかな……。 個人的に『終』の最後の穏やかで賑やかなシーンが好きだった。色味もカラフルでかわいらしく、「夢みたい」なのがいい。眠れない子がいる時の「じゃあみんなでハメを外しちゃおうか!」感が、「人数の多い家族」みたいな感じがして良い。何度生まれ変わってもみんなで若だんなを囲んでお菓子食べて謎の騒動を解決しててほしいな。 - 2026年6月30日
7日間でマスターする レイアウト基礎講座内田広由紀,視覚デザイン研究所・編集室読み終わった読み返した十年ぶりくらいに読み返した。当時は「なるほど……!」と思っていた強く覚えていた部分がありきたりの当然な情報になり、当時は印象に残らなかった部分を新しい情報のように感じながら読むことに。やはり技法書・情報系は何度も読み返した方がいいかも……と思った。他にもデザインの本を読んでみたい。 - 2026年6月26日
アクロイド殺しアガサ・クリスティー,羽田詩津子読み終わった読み返した読み返し。結末は知ってるけれど、細かいトリックの建て付けは相当忘れているので普通に驚きながら読んだ。忘れっぽい性格はミステリを面白くしてくれる、かも? 以前は特に何も思わずに読んでいたけれど、ラルフがかなり人格を疑う行動を繰り返している割にずっと許されていることに細かい苛立ちを覚える部分がある。これが同じ性格の女性だったらもうちょっと一刀両断にしているキャラが出てきそうなものだけど……と思ってしまった。まあそこは時代も時代だし、現代に至ってもまだ非対称性のあるものだけど。自覚した時に意識していきたい。 それにしてもこの時代に、推理小説のありうるパターンをほとんどすべてやってしまったというアガサ・クリスティという人は、だいぶ恐ろしいですね。 - 2026年6月18日
スタイルズ荘の怪事件アガサ・クリスティ,アガサ・クリスティー,矢沢聖子読み終わった読み返した以前読んだ本の読み返し。昨年「カーテン」を読んだけど、再び舞台になったスタイルズ荘のことをかなり忘れていたので読み返したいなと思っていたもの。しかしスタイルズ荘を読み返した頃には今度はカーテンの内容がふわふわしてきている……。鳥頭をどうにかしないと……の気持ちとともに、そもそもカタカナ名が覚えきれずに一部ふわふわした状態で読んでいるせいもあるかもとやや反省。 次はキャラクターが出てきた時点で頭の中でぼんやりしたイメージを描くのではなくきっちり目に脳内キャラデザしながら読んでみようかな……。 - 2026年6月13日
怪談びたり深津さくら読み終わった以前たまたま手に取った『怪談ぐるい』がすごく好きだったので作者買いしたもの。やはりこれもとてもよかった。 本当に怖い話もやや自然現象じみた話も、怪談というにはあまりに穏やかで優しくちょっと感動するような話も、なんとなく人の人生と世界の狭間の一瞬を切り取った面白みがあって良い。何より、無駄に怖がらせようとしていないことにものすごく好感が持てる。 ただ、そうであった、それだけ、という感じ。もう一冊買ってあるのでそれを読むのも楽しみ。 - 2026年6月11日
ポケット詩集 II田中和雄読み終わった実家にあったので読了。 まえがきを読んだ時点で「なんだかこの編者の方とは趣味と思想があわないな」と思っていたんだけど、割とモヤモヤする詩が多かったような気がする。時代もあるのだろうけど……。詩集を読むのは初めて。色んな作者の詩を集めた詩集というのは、こういうものだろうか。 と同時に、茨木のり子、高村光太郎、まど・みちお、谷川俊太郎あたりが好きかもと思った。今度は個人詩集を探してもいいかもしれない。 - 2026年6月10日
とるとだす畠中恵読み終わった読み返した読み返ししゃばけシリーズ17冊め。 開幕藤兵衛旦那が倒れる展開、足元が急にゆらぐようで身に迫った恐ろしさがある。 長崎屋は大店で、若だんなは基本四方八方から保護されているという普段の安心感が、父親であり大店の旦那である藤兵衛が倒れることで崩れていくかもしれないというリアルな不安感、それとともに身内が倒れた時のあのどうしようもない心配と焦燥。 その中でまたどうしようもないものと戦ったり負けてしまった後だったりする妖たちと交流していく。ちょっと切ない一冊だなあと言う感じ。 表紙の法師様がかわいい。 - 2026年6月1日
五匹の子豚アガサ・クリスティー,山本やよい読み終わった恋愛物語があまり好きではなく、特に浮気は覚めるので、ずっと被害者が好きになれなくてモヤモヤしながら読んでいたけれど、最後の最後、ラストの一文が凄くて急にこの小説への思い入れが匂い立った感じ。 なんでもない動作を描いた一文なのに、そこから得られるはずの暖かさが急に寂しさと孤独感と虚しさを浮き彫りにしていて、鮮やかといえば鮮やかすぎて目に痛い。でも、あくまで自然。クリスティのこういうところが好きなのだ、と思う。 - 2026年5月13日
おおあたり畠中恵読み終わった読み返した読み返ししゃばけシリーズ16冊目。「おおあたり」をキーワードにした5篇の短編。 金次がすっかり長崎屋と裏の長屋の住人になってしまい貧乏神としては不自然な感じになってるというか、人間臭くなってるというか、結婚はしていないけれど所帯染みているというか……のを自分で不思議に思いながらそれを穏やかに当たり前に受け入れていく流れが心地よかった。 アニメ版で採用された仁吉と佐助が子ども(の姿に化けていた)時代の『あいしょう』、アニメを一回挟んで久々に読んだけど、結構ぶっ飛んでるなと……。この記憶が新しいうちにアニメ版の該当のお話を見返してみようかな。 - 2026年5月2日
白昼の悪魔 (クリスティー文庫)アガサ・クリスティー,鳴海四郎読み終わったロザモンド!そんな!お店は!!お店はそのままで!!が第一の感想になってしまった。も、もったいない……。 とはいえ、リンダの結末、アリーナへの冷徹した目線、彼女への人々それぞれの評価、ロザモンドのありようなど(結末も私がロザモンドの友達なら止めちゃうけどまあそういう人もいるね……?)、女性をみる女性の冷静な目と優しさみたいなものを感じて、なんというか「クリスティのそういうとこ信頼できるな」と思う。この感じについては、全体から感じる印象や直感的にピントが合う部分の感覚のようなもので、具体的な説明が難しい。 ところで今まで読んだクリスティーの作品の中で1番翻訳に癖があったかも?男性キャラのセリフの語尾が優しく距離が近めの感じであるあまり、女性のセリフのような文字面になっている部分があった。「人懐こい」と「馴れ馴れしい」のぎりぎりを攻めるおじさまみたいな口調というか。嫌いではないけど、独特かも。
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