
てのりぐま
@honzuki_kuma
2026年8月16日
生きる
森越智子
読み終わった
借りてきた
1944年、中国から強制労働のために日本軍に連れ去られ、北海道に連行され、炭鉱で働くことになった劉連仁氏の実話を描いた児童書。20代で、もうすぐ第一子が生まれる、家庭の担い手だった彼がいきなり誘拐のようなかたちで連れ去られ、ろくな食べ物も与えられることなくいくらでも換えのきくコマとして扱われていくさまは恐ろしかった。あまりのことに逃げ出し、仲間とともに北海道の中を逃げて逃げていくことになる彼の道行きは最終的に1958年まで続くことになるという。。。
加害者側として知っておかなければいけない歴史だと思いながら読みました。と同時に、次のくだりが特に心に残ったので抜粋。
「戦争は人間に『本当の自分』というものを、むりやり捨てさせる。(中略)自分という存在そのものを捨てさせる。そしてそのことをいったん受け入れてしまったら最後、濁流におし流されたように引き返せなくなる。」(p66)
劉氏が日本軍の上官から酷い目に遭わされるけれど、その上官が落盤により潰されそうになるところをとっさに助けたら折檻されなくなったことから、この相手も家庭ではよき父、孝行息子なのかもしれないというところからのくだり。これこそが戦争の恐ろしさだよなと感じました。
後藤竜二の『紅玉』と合わせて読んでほしい一冊。