
つたゐ
@tutai_k
2026年8月17日

虹の女神が涙したとき
セシリア・マンゲラ・ブレイナード,
松田卓也
読み終わった
太平洋戦争時、日本軍が侵攻するフィリピン。祖父や従姉妹と別れ両親とともに疎開する少女の物語。
小説が持つ大きな力として他者の目に重ねて物事を見て、自分ではない語り手や、登場人物の声や考えをそのまま自分の中に入れるというものがあり、この本でその経験ができることが本当によかったなと思う。日本軍が侵攻してくる、それもものすごく残酷な暴力をともなってやってくるし、そのなかでいかに自分たちの尊厳を守りぬくか(そこには「叙事詩(物語/歴史)」が大きな勇気や、拠り所をくれる場面がある)。
「侵略者たちはウベックを本当に破壊できないし、そこに生きる人びとを傷つけることもできない、とわたしにはわかっていた。」(本文)
「日本とフィリピンはこの歴史を共有しており、私は日本人とフィリピン人の双方がこの戦争について、より深く知るべきだといつも感じています。「なぜあの戦争のことを気にしないといけないのか」と訊ねる人がいるかもしれません。その問いに対する答えは明快です。「歴史を記憶しない者はそれを繰り返すから」です。」(「日本語版刊行に寄せて」)
この本が日本のたくさんの人に読まれて、太平洋戦争について、経験と記憶が続くことを願う。



