
Sanae
@sanaemizushima
2026年8月18日

アジア系のアメリカ史
キャサリン・C・チョイ,
佐原彩子
読み終わった
COVIDを起点にアジア系アメリカ人の歴史を遡っていく。
ここでのアジアの定義は東アジアから英国領インド(パキスタン、バングラ含む)まで。中東は含まないが、ミャンマーやタイ、そして著者がフィリピンのルーツということもあり、フィリピンについても詳しい。
アメリカにいるアジア系の人びとはインテリで、技術職だったりIT関係で成功しているイメージがある。これもまた事実だが、2016年の調査では黒人に代わってもっとも所得が不平等である集団になったんだそうだ。
第二次大戦時には「敵性外国人」として、日系の人びとは真珠湾攻撃が起きてすぐに収容所に移送させられた。移民1世ではなく、多くがアメリカ生まれの2世だったとのこと。アメリカの市民権を持ち、そもそも「外国人」ではなかったにも関わらず。それはアジア系であるという人種差別がいちばんの理由。そういう、ほんとの軍事的理由でないために、日系ではない中華系やコリア系、フィリピンルーツの人まで影響が及ぶ。
フィリピンは国をあげて、看護師をアメリカに多く輩出した時代もあったようで、今も多くのフィリピン系アメリカ人が医療現場で活躍しているという。そしてCOVIDのパンデミック。前線で仕事をして命を落とした人も多かったそうだ。
「アジア系アメリカ人医療労働者がCOVID-19の時代において私たちを助けるために文字通り死んでいるにもかかわらず、多くの人びとはかれらをアメリカ人として見ていない。多くのアメリカ人はアジア系アメリカ人を仲間の人間としては見ないが、むしろ、危機の時代に便利なスケープゴートとして見る。」(p209)
何も変わっていない。
日本でも中華系マレーシア人の友人が2020年の冬に北海道に遊びに行ったとき、見た目が中国人なので、レストラン入店拒否されたって言っていた。
歴史を継承していく運動、多くの中国人によって完成した鉄道工事など、都合よく消された歴史を掘り起こす作業など、ひとつひとつをアメリカの歴史として残す活動が行われていることを知る。
他にもカンボジア移民が母国のノンコン(甘い揚げパン)を思い出して、アメリカのドーナツ屋のビジネスを成功させたこと、あいだに食べ物だけのコーナーがあったりして(なんと言っても、アジアはやっぱり食べ物天国!)楽しみながら興味深く読んだ。









