
mikechatoran
@mikechatoran
2026年8月19日
世界文学重層
西成彦
読み終わった
国家と言語を直接に結びつけた「国民文学」(アメリカ文学、日本文学等々)という区分けが下火になり、最近は「語圏」文学(英語圏文学、フランス語圏文学...)という用語が使われるようになった。しかし、著者はその用法に強い違和感を抱いてきたという。人は固有の言語・文化とともに移動し、異なる「語圏」との接触を積み重ねて、「二重、三重、四重の「語圏」を渡りあるく、思考のサーフィンともいうべき生」を生きる。そこから生まれた作品を「世界文学」と定義した上で、著者は日本語を中心に上海の租界、日本植民地時代の朝鮮、南米の移民コミュニティを当時の日記や実際の文学作品から読み解いていく。書き手の切迫性と同時に文学の豊かさをあらためて感じられる一冊だった。






