
pera
@tuttipera_
2025年4月3日

バルタザールの遍歴
佐藤亜紀
読み終わった
ミノタウロスを読んだのでこちらも。
様々な知識をものにしていてすごさは感じるんだけど、面白いかと言われると...
ミノタウロスもそうだったけど、この人の描く主人公は怒ったり泣いたりはするが、感情の芯の部分に熱がない感じがして、共感することができない。よって、小説に対して「他に有り得たかもしれない人生」みたいなものを見出して楽しみたいタイプの人には向かない作家さんだなと思う。
「ある程度お金に困っておらず、馬鹿ではないけど賢くはない主人公が、近くにいた素朴な女に飽きて尽くしがいのないファムファタール的な女に執着してしまう(でも別に愛情はない)」という流れはミノタウロスと同じだなと思った。
題名については、人間としてのメルヒオールの名前は残る(逆にバルタザールは外から見ればあくまで存在しない)から「バルタザールの遍歴」なんだろうか?そうだったらそこは面白いかも。