
三井
@0047ab_reads
2026年8月21日
鳥啼き魚の目は泪
宇佐美まこと
読み終わった
宇佐美まことさんの本で、『骨を弔う』で面白い!と思ったから、これも面白いといいな〜と思いつつ、事前情報なしで読み始めた本だった。
1ページの文章量が多いのは多分1ページの行数が多いからだと思う。ページがなかなか進まなくて長い時間読んでた気がする。
最近読んだ中で一番好きな本だった……
わたし、こんな本を読みたかったんだと思う。出会えて良かった。
昭和初期 戦前の日本を生きていた華族のお話が別世界で、江戸・明治から地続きの変革してきた日本の世界観に浸ることができてすごく好きだった。
わたしそもそも古い建築物とか庭とかそういう今に残るものが、過去の人たちと同じものを見ているという想像ができるところがとても好きで、明治から戦前は特に現代と地続きの歴史のはずなのに、ひとつずれたところにある(それは戦争による断絶があると思っている)ところに惹きつけられている。
物語は平成・令和と昭和初期のその庭に焦点を当てて進んでいて、その描かれ方も良い。使用人の視点で物語が進んでいくのも美しい日本語が流れていくところが好きだったな。
最後、昭和初期の場面で一生懸命華族の家を支えるために生きていた人たちが、令和になって老いたその子ども世代に振り返られるという形の描かれ方は積み重なる歴史を感じさせてくれた。
その時を生きていた人が亡くなって行っても、庭は残っていく。その庭に想いを込めて造った人・造らせた人がいて、それを見守っていた人たちがいて、その美しさに魅了された人たちが、今でもその庭を守っている。
わたしの好きだ!と思うところにあちこち引っかかる本だった。
