
ユメ
@yume_bookworm
2026年8月2日

鳥とけものと親類たち (1977年)
ジェラルド・ダレル
読み終わった
感想
私は『虫とけものと家族たち』のことを森見登美彦さんの『夜は短し歩けよ乙女』で知ったので、作中、黒髪の乙女が下鴨納涼古本市で買い求めていた『鳥とけものと親類たち』ももちろん読んでみたいと思っていた。だが、絶版になってしまっていて久しかったので、なかなか手に取れる機会がなかったところ、最近になって古書で縁があり、蔵書に迎えることができた。
いざ手元にやってくると、『虫とけものと家族たち』が大好きなだけに、期待が高まりすぎて読むのが怖いぐらいだったのだが、読み始めたらたちまちその面白さに魅了されることになった。
『虫とけものと家族たち』で書き切れなかった出来事を綴ったという本作においても、ダレル一家とコルフ島の友人たちの破天荒ぶりは変わらず、読者を愉快な気持ちにさせてくれる。中でも、レズリーがひょんなことから裁判沙汰に巻きこまれるエピソードは、スピロの解決方法があまりにめちゃくちゃで声を出して笑ってしまった。
コルフ島の豊かな自然の描写も前作同様に美しく、夜の沖で漁火がチカチカと光る様子が「まるで銀河のすみっこが海に落ちたようだ」と表現されているのが好きだ。
ジェリーにとって何度でも繰り返し訪れると思われていた明るい夏が、戦争によって遮られてしまったことには胸が痛んだ。
三作目『風とけものと友人たち』も、いつか手に取る機会があるといいな。
