
ザムザ
@zamzy733
2025年4月3日

あわいの力
安田登
読み終わった
@ 自宅
論語を読み直す、という著者の別本の流れで、心の次に来たるべきもの、という問題意識で出逢った本。
タイトルにある「あわいの力」は来たるべきものそのものというのではなく、それが来たるとすればその力を養うことによって、といったニュアンスである。
まず、ジュリアン・ジェインズが説くように、太古、人に心なるものはなかった。やがて心ができてきて、それに見合った文字が生まれる。次第にその心のコントロールが問われる。
洋の東西でこの心に対する姿勢が異なる。おおざっぱに言えば、西ではコントロールするものとして捉え、東では委ねるものとして捉えた。
日本ではとくに魂と体とが一体のものとして「身」という考え方があって、自身に対して主体的であらんとする向きが強くなかった。この意識は歌の世界によく残っている。著者は自身の能楽師としての経験知からも、そこに希望を見ている。いわく、あわいの力と呼びならわして。
なお、そうした渾然一体とした心のありかたは、時代を遡るほどに見出される。シュメール文明などもそうで、著者が内臓感覚をとりだして心の原郷と見るのも、その含みがあってのこと。る
