
euy
@euy
2026年8月22日

人権を創造する
リン・ハント,
松浦義弘
読み終わった
いきなり第1章が新エロイーズの話から始まって激アツ。
新エロイーズ、パミラ、クラリッサなどの新しい書簡形式の小説に人々が熱狂していく様子の描写が熱くて引き込まれる。煽情的な小説が大流行して、それによって人々が他者に共感して、同じ人間だと感じるようになって、それを下地に「人権」という思想が生まれていったという洞察はめちゃくちゃおもしろかった。
その後は、「人権」という概念が一人歩き(?)していって、奴隷とか有色人種とか女性とかに拡大していって(第4章のタイトル「それはきりがありませんーー人権宣言の結果」は見事なタイトルだ)、しかし一方で第二次世界大戦での虐殺みたいなことも起こり、「人権」という言葉で呼び起こせる共感にはいろいろ限界もあるけど、でも今の国連を中心とした人権の枠組みで、草の根の力とかも使いつつがんばっていくしかないよね、みたいな雰囲気でまとめられてる、ように感じた。
最後のまとめ方がこれでいいのかはわからんが(今の日本にいると、昔みたいな露骨な人権侵害もないし、共感の力でなんとかするような世界線ではなく、例えば虐待だったら社会福祉施策とか、それぞれの課題ごとに個別具体的に制度的に何とかする方向になるのではないだろうか。よくわからんけど。)、とりあえず人権についての全体の歴史を概観できて、興味深く読めた。
