犬山俊之 "砂浜の、すみっこで シロチド..." 2026年8月23日

砂浜の、すみっこで シロチドリ観察日記
おもしろくて、切なくて、そして「見る」ということの意味を深く考えさせられた一冊。 本書は砂浜で著者が偶然にシロチドリの擬傷行動に気づいたことから始まるひと夏の観察の記録です。擬傷行動とは、親鳥が卵を守るため、わざと傷ついたふりをして敵の注意を引きつける動き、ということなのですが、これ、例えば、私の目に入ったとしても、絶対気づけない世界です。それを、文字を通して、ですが、自分も「見る」ことができる、というおもしろさ。  夏の砂浜で起きる様々な出来事が、見ることの無力さ、暴力性、理不尽さ、など突きつけてきます。そして特にクライマックスもなく終わります。いや、終わらないのか。 「わたしは、いまもシロチドリのひながいなくなった砂浜を見つめている」。 読めてよかった▼
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