

犬山俊之
@inuyamanihongo
台湾在住日本語教師
- 2025年7月8日
- 2025年7月8日ガラスと雪のように言葉が溶けるイリナ・グリゴレ,尹雄大読みたい
- 2025年7月6日
- 2025年6月29日死はすぐそばにアンソニー・ホロヴィッツ,山田蘭読み終わった買った巻末の謝辞が長い。出版人、編集二名、デザイン、制作、営業7名、宣伝2名、マーケティング、オーディオブックその他。一人では作れないものなので、こうして名前だけでも出すのはすばらしいと思う。日本の出版社も真似してくれないかな。 また、この慇懃な文体の謝辞の中に「もし何かまちがいが見つかったら、、それはすべて…」…私の責任だと続くべき文脈で、「それはすべてキャロライン(担当編集者)のせいだと申し添えておく」と冗談を入れているところもおもしろい。
- 2025年6月27日台湾文学コレクション2 風の前の塵施叔青,池上貞子まだ読んでるこのような台湾の小説が日本語で読める幸せよ。いい時代になったものです。 まだ前半ですが、ページをめくるごとに知らなかった事実が多数。花蓮では日本人移民村の建物や文物は敗戦による日本人引き揚げ後も残っていたが、日本が台湾(中華民国)と外交関係を断った時に、「裏切られたという日本憎しの思いでめちゃめちゃに破壊」されたとのこと▼
- 2025年6月24日
- 2025年6月24日都市残酷ワリス・ノカン,下村作次郎買った積読中途中まで読んだ
- 2025年6月23日ケースから学ぶ 知っておきたい 日本語教師の心がまえ佐々木良造,香月裕介,鴈野恵買った
- 2025年6月22日愛しいあなた劉梓潔,明田川聡士読み終わった現代台湾を生きる女性の「愛と痛み」を描く短編小説集。すごくセンスを感じる生き生きとした文体。一読ファンになりました。 ただ性愛に関する描写が多いので、そういうのが苦手な人には勧めにくいのですが、「エロ」ではない性の話は貴重です。 生殖の負担を一方の側にだけ押し付けながら行われているセックスという行為の圧倒的不公平さをひしひしと感じさせられ、今更ながら唖然としました。もっと若い時に読めたらよかった。 実は、表題作『愛しいあなた』のタイトル、原著では《親愛的小孩》となっており、「子ども(小孩)」という語が入っています。まだ見ぬ子、名前もない我が子に対して、心の中で思わず語りかける言葉、「親愛的小孩」なのですが、ここで(例えば)「我が子よ」と日本語に訳すと、全然違うニュアンスになると翻訳者・編集者は考えたのでしょう。その判断は支持するものの、日本語で「あなた」と聞くと恋愛対象のことかと思ってしまう人がほとんどなのでは、と心配にもなります。ちょっと難しいところ。 現代の台湾で「子を持つ」、また「子がいない」ことが女性にとってどんな意味を持つのか深く考えさせられます▼ http://www.kankanbou.com/books/kaigai/taiwan/0546
- 2025年6月20日
- 2025年6月20日半分姉弟(1巻)藤見よいこ買った読んでる
- 2025年6月17日
- 2025年6月17日
- 2025年6月17日胃が合うふたり千早茜,新井見枝香読みたい学習材候補
- 2025年6月17日台湾文学ブックカフェ3 短篇小説集 プールサイド方清純,李桐豪,鍾旻瑞,陳思宏,陳柏言,黄麗群おすすめかつて読んだ多様な台湾の今を切り取った良質なアンソロジー。どの短篇からも台湾独特の空気を感じます。こうした作品が日本語で読めるのはありがたい。収録作品『ぺちゃんこな いびつな まっすぐな』(陳思宏著)の小説としての上手さに感服。 驚いたのは収録作品の初出がほとんど新聞の文芸欄であること。新聞に文芸作品が掲載されていることは知っていたけど、自分の中国語力では歯が立たないので、きちんと読んだことはありませんでした。作品発表の場として新聞が機能しているというのはすごい。 また、翻訳もすばらしい。二番目に収録されている、表題作『プールサイド』、抑制の効いた静かな日本語の美しさ。三須祐介氏の訳で読める日本語読者は幸せです。ちなみに、三須祐介氏が翻訳した三作品、どれもおすすめです。『太陽の血は黒い』『次の夜明けに』▼
- 2025年6月15日愛しいあなた劉梓潔,明田川聡士読んでるこれ、自分が言うまでもなく、編集段階で話し合われていると思うんだけど、邦題は本当にこれでよいのだろうか。原題は《親愛的小孩》で「小孩(子ども)」なのだよな。だが 日本語で「あなた」というと、どうしたって恋愛対象を考えると思う。
- 2025年6月11日
- 2025年6月11日
- 2025年6月10日台湾文学コレクション2 風の前の塵施叔青,池上貞子買った積読中
- 2025年6月8日静かな基隆港魏明毅,黒羽夏彦読み終わった台湾北部の港湾都市・基隆(キールン)でのフィールドワークの記録をまとめたエスノグラフィー(ethnography/民族誌)。 事前情報なしで読み始めましたが、すぐに引き込まれ、静かな興奮を味わいながら読了しました。よい作品でした。 まずは、自分のような、台湾在住ながら台湾の事をあまり知らない人間にとって、今まで知りえなかった人々の生活を覗き見るおもしろさがありました。1980年代に世界有数の港として繁栄し、労働者が札束をポケットに入れて闊歩していた時代の記憶と、すでに「死港」となった現在人々の生活。 また、「できる男」として振る舞うことを重視する「文化」のため、家族や周りを不幸にしてしまう「男らしさ」の呪縛。彼らは「個人的な」運命を体験したのではなく、みなこの港町の歴史に生きさせられてきたのだと。基隆は台湾の自殺者数で常に1位か2位であると。 装丁を含めて地味な作品なので、なかなか注目を浴びにくいのかもしれませんが、自分にとって深く印象に残る一作になりました。著者、翻訳者ともに誠実で信頼できる書き手であると感じました。おすすめ。
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