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犬山俊之
犬山俊之
犬山俊之
@inuyamanihongo
台湾在住日本語教師
  • 2026年7月14日
    たとえば「自由」はリバティか
    英語の話だろうと思って読み始めたら、いきなり漢籍の話になって、あ、まあ、そうれはそうか、と。 内容もおもしろいですが、この本については、タイトルのつけかたが秀逸。元ネタがあるのかな
  • 2026年7月11日
    台湾漫遊鉄道のふたり
    台湾漫遊鉄道のふたり
    [本] 日本人である私は『台湾漫遊鉄道のふたり』をどう読めばいいのか。 日本翻訳大賞、全米図書賞(翻訳部門)、そして国際ブッカー賞を受賞し、世界で高い評価を受けている本作。私も、もちろんすばらしい作品だと思うのですが、単に「おもしろかった」で済ませてはいけない気がしています。 というのも、この作品内では当時の植民地主義がはっきり批判されており(私はそう読みました)、私も台湾を支配した側の日本人の一人としてこの小説から問いを向けられていると感じたからです。  * 作中、「進歩的」な日本人作家・青山千鶴子は台湾人通訳の王千鶴に次のような言葉をかけます。 「我想跟千鶴小姐當朋友」 「私、千鶴さんと友達になりたい」 “I would like to be friends with you.” この台詞に、私はちょっと狼狽えてしまいました。 植民地支配する側と、される側の人間が植民地下の台湾で「朋友/友達」になれるのか、というのは小説内の話です。 しかし、この小説を書いているのは、現代台湾人作家で、想定されている読者は現代の台湾人。 そして、この台詞はこの章の最後の一行で、台湾人である千鶴の返答は書かれていません。そして数行分の空白。 要するに、この沈黙によって読者に反応を委ねているのだと思います。当時の台湾人が、支配する側の人間から「友達になろう」と言われてますよ。あなたなら、どう応えますか、と。 「善意」から発せられた言葉は台湾人の側にはどう聞こえるのか。 ここでは、単に「当時の」インテリ日本人の思い上がりが批判されている、というだけでなく、現在の日本人の無知も含めて「見られている」視線を感じます。 80年前の青山と、現在「日台友好」を口にしながら台湾を訪れる日本人と何が違うでしょうか。 植民地化、皇民化教育を押し進め、50年にわたって台湾人の言葉を奪うということをしておいて、今ぬけぬけと台湾で日本語教室をやっている私も、この小説に「見られている」と感じました。 この小説が読まれれば読まれるほど、日本人は世界から「見られる」ことになるでしょう。 やはり、我々日本人がすべきは過去の日本の加害を知ることです。過去に日の丸の旗の下で日本人はこの島台湾で(そしてアジア各地で)何をしたのか。その加害の歴史を自分自身の問題として受け止め続けること。それが、このを読んだ「感想」になるのではと思うのです▼ 追記 三つの言語を比べならがら、パラパラ読むのは楽しいですね。台風の「おかげで」ちょっと時間ができたので。 「我和小千在緣廊剝荔枝來吃」 「私と千鶴は、縁側で荔枝(ライチ)を剝いて食べていた」 “Chi-chan and I sat eating lychee on the engawa veranda.” ALT テーブルの上に本が三冊並べて立てかけてあります。 手前から Taiwan travelogue』Lin King訳 Graywolf Press 『臺灣漫遊錄』春山出版社 『台湾漫遊鉄道のふたり』三浦裕子訳 中央公論新社
    台湾漫遊鉄道のふたり
  • 2026年7月11日
    在日サッカー、国境を越える
  • 2026年7月11日
    沈黙 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
    まだ『沈黙』『哀惜』の二作品だけなのですが、久しぶりに「好きな作家」と言える小説家に出会った気がします。文体がすごく好み(日本語訳もいいですね)。 オーソドックスな推理小説なのですが、殺人事件が解決される過程で描かれるイングランド南西部の人々の生活、その細やかな機微がすばらしい。「生活する」とは「生きる」とはこういうことだなと。推理小説なのに。 章ごとに語り手が変わる手法も効いています。さっきまでは部下を冷静に評価している上司の一人称だったのが、次の章ではその上司が部下の目で見られているというような描写が物語に奥行きを与えています。 作品の舞台を実際に訪れてみるというような活動には無縁だった自分ですが、ノース・デヴォン、そしてクロウ・ポイントには行ってみたいなあと思い始めています▼
  • 2026年7月9日
    反乱は続いている
    反乱は続いている
    フェミニストである著者グループによる、スウェーデンの三世代にわたる女性たちへのインタビュー。 対話を通じて聞き手が感じたこと等も織り交ぜて書かれていて、それらの「声」の多様さに驚かされました。 最高齢の方が1904年生まれで、最年少は1980年代生まれという幅広い年代の方々が体験してきたことを、俯瞰的な記述ではなく、戸惑いや高揚感といった揺らぎを含んだ個人の「声」として読むことができたのは貴重な読書体験でした。 声が「生きている」ので、決して他人事とは思えず、1ページごとに共感しながら読み進めることになりました。原著は1999年の出版ということなのですが、これらの声は決して古びていません。 「先進的な国」というイメージのスウェーデンですが、不公平な賃金、「女性らしさ」の押し付け、女性への暴力などの問題は当然あったわけで、それぞれの時代で抵抗、抗議、闘争は続けられてきたのです。「わたしたちが当たり前だと思ってることは、ずっと当たり前だったわけじゃない」。  * 個人的には1970年代の清掃員たちのストライキの話は興味深かったです。「ストライキ中の清掃員たちは、全国のひとびとからとても手厚い支援を受け取った。デモや連帯集会が行われた。義援金や書名、手紙がどんどん届いた」と。今の日本でこんなストライキができるのでしょうか▼
  • 2026年6月30日
  • 2026年6月30日
    私がみた戦時下の中国・台湾
    私がみた戦時下の中国・台湾
  • 2026年6月24日
    三鬼
    三鬼
  • 2026年6月23日
    タイヤル・バライ 本当の人
    タイヤル・バライ 本当の人
    [覚え書き] こんな時期ですが日本の「国旗」は見たくない というのも、日の丸を目にするたびに、自分の目が「ウパハの目」になるのです。ウパハとは日本が台湾を植民地にしていた時代、日本人によって部族を虐殺された原住民タイヤル族のリーダーです。ウパハは捉えられ、頭を踏みつけられ、腹を銃剣で突き刺され、仲間を守れなかった無念とともに命を落とします。 引用「ウパハは目を大きく開いてその兵士を睨みつけた。その時、日章旗を高く掲げた日本軍と傍らの日本の警察が大声で万歳と叫んだ」『タイヤル・バライ 本当の人』トマス・ハヤン、下村作次郎 訳 田畑書店 辺境のアジア文学6 日の丸はどうしたって虐殺、屈辱の記憶と重なります。また、これはウパハ一人の話ではありません。アジア各地に日の丸を呪いながら殺され、或いは生き続けなければならなかった人たちの記憶が残っています。これをなかったことにはできない。 戦後、君が代、日の丸、天皇制などを精算できなかったことのツケは大きい▼
  • 2026年6月19日
    地下鉄駅
    地下鉄駅
    様々な理由から台湾の地下鉄の駅で死を選ぶ人々と、その防止に奔走する地下鉄職員の物語。 前半は仕事小説として読めます。現代台湾のホワイトカラーの人々の考え方が伺い知れて、興味深かったです。日本語訳も読みやすくて好感を持ちました。会話のやり取りが続く場面、リズム感のとぎれない訳出ですごくよかったです。 ただ、後半主人公の転落が始まるところから、読むのがつらくなってしまいます。特に中年男性(40代離婚歴あり)が若い女性に抱く恋愛感情の描写が「痛すぎて」、ちょっと引いてしまいました。   * それから内容とは直接関係ない点ですが、小説内で若者が好んで見るものとして言及されているのが、「ハリウッド映画」「韓国ゾンビ映画」「韓国ドラマ」で、「日本」が全く出てきません。ここでも台湾における「日本」の存在感の消失を感じます。
  • 2026年6月17日
    神田ごくら町職人ばなし(一巻)
    すばらしい作品。1ページごとに込められた作者の熱意を感じる。このご時世、これを連載から一冊の本にまとめた出版社もえらい。 台湾中文版もいっしょに購入。  * * あとで、他のSNSに出したもの↓  * [本] 坂上暁仁『神田ごくら町職人ばなし〈一〉』(リイド社) 《神田御藏町職人物語 1》張文俊・訳(台灣東販) 江戸の職人の技が1ページ、1ページに刻み込まれている。「手」の描写がすばらしい。見とれてしまう。 江戸の職人たちが仕事に込める気持ち、この作品の作者が漫画に込める気持ちが重なって見える。これは傑作。 こんな渋い題材の作品をきちんと一冊の本として世に送り出した出版社もえらい。 台湾中文版も購入。教室に置いています▼
    神田ごくら町職人ばなし(一巻)
  • 2026年5月22日
    レイシズムとは何か
    「人種は存在しないが人種差別は存在する」というハッとさせられる書き出しから「人種差別」のメカニズムがわかりやすく解説されています。付箋だらけにして読んでいます。もっと早く読むべきでした。
  • 2026年5月17日
    混沌輪舞
    混沌輪舞
  • 2026年5月16日
    地下鉄駅
    地下鉄駅
    台湾の作品はできるだけ読んでおきたい。 台中の紀伊國屋で見かけて購入。 まだ最初の部分だけだけど、翻訳はかなりよいと思う 。
  • 2026年5月10日
    放たれた虎
    放たれた虎
    テレビドラマ『窓際のスパイ』(原題: Slow Horses 中文タイトル:《外放特務組》)がすごくよかったので、原作にも手を出してしまいました。 まあ、当然ですが、全然違います。よくこの原作から、あの独特の雰囲気の映像作品を作り出したな、と感心。 もちろん小説版もおもしろいですが。
  • 2026年5月10日
    フォルモサ南方奇譚
    『フォルモサ南方奇譚』倉本知明(春秋社) 《福爾摩沙南方奇譚:南臺灣的歷史、神話與邊緣者物語》黃耀進・訳 おもしろい! 「まあ、オレは台湾在住なんで、他の日本語読者より深くわかるんじゃないの?」なんて思って読み始めたのですが、全然聞いたこともない興味深い話ばかりで、驚きとワクワクが止まりません。この本を手に南部へ行ってみたくなります。おすすめです。 原著と台湾中文版、両方取り寄せて家族で読んでいます。
    フォルモサ南方奇譚
  • 2026年5月1日
    新沖縄文学 97号
    新沖縄文学 97号
  • 2026年4月28日
    小説みたいに楽しく読める生態学講義
    中田兼介氏の本はとりあえず買う。信頼できる著者。
  • 2026年4月26日
    トピーカ・スクール
    トピーカ・スクール
    [本]ベン・ラーナー『トピーカ・スクール 』川野太郎訳(明庭社) すごいものを読んだという高揚感と、それでも自分の読みの力では読み切れていないなあ、という歯痒さとともに読了。 異なる世代の複数の語り手による独白の重なりの中に、「人間が生きること」がちらりと見えたような気がしました。子を持つ親、子どもの目に見える家族、幼馴染と友人と、すれ違いと繰り返し(!)。最後のシーン、成長した主人公アダムが彼の配偶者と子どもといっしょに向かう場所が、本当の「今」につながっていてびっくりしました。今読めてよかった。 しかし、アメリカ社会、風俗についての知識がないと理解できない部分は多々あるだろうなと。例えば、人名だとオプラ・ウィンフリーとかボブ・ドールとかいくつかはわかりますが、ほとんどの固有名詞は読み飛ばしていますし、特に音楽は全然わかりませんから。 そうした知識以外でも、独特で複雑な文体もかなり手強かったです。正直、本編後の「訳者あとがき」を読んで腑に落ちた点もたくさんありました。こんな文章が翻訳できるなんて、自分にとって川野氏は超人です。 また、白岩英樹氏の熱い解説もすばらしかったです。理解が深まりました。 なんなら、「訳者あとがき」と「解説」を先に読んでおいたほうが本編の世界に入りやすいかもしれません。というわけで、自分は今から再読します▼
  • 2026年4月10日
    トピーカ・スクール
    トピーカ・スクール
    途中メモ 前半かなりとっつきにくいです。半分くらいまで来て突然引き込まれる感じ。 ここ数日で、まとまって読む時間がとれてよかった。このタイミングでなかったら、投げ出していた可能性が大きいです。
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