
ほしなみ
@hoshinami629
2026年8月22日

葡萄唐草: 歌集
馬場あき子
読み終わった
「氷見」が良かった。以下Blueskyからの転載。
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痩男氷見に会はばや上日寺住み憂き冬の齢(よはひ)来てをり
一削ぎに氷見がけづりし痩面の頬を寒しと鳴けきりぎりす
苦しみて生きし氷見なる痩男うつつの冬を起ちて見に来よ
一調(いっちゃう)に謡へば海の痩男哀れ禁漁の海を犯せり
(馬場あき子『葡萄唐草』「氷見」)
この辺りが好きです。氷見宗忠のことは全然知らなかったので、学べたという意味でも良かった。痩面の名人というのは確かに感興を催す。武田泰淳や杉本苑子も小説にしているのね。
二首目は曽禰好忠「なけやなけ蓬が杣のきりぎりす過ぎ行く秋はげにそ悲しき」が本歌なのかしら。本歌取りって良いなあと思う歌。
四首目は『阿漕』だろうか。一調なのだから実際は面は使われていない。全て想像の話。一調が聴き手の想像力を強烈に喚起してくるというのは大変に分かる話で、謡とお囃子の音に耳を傾ける内、目の奥にぼうっと浮かび上がる痩面があるのかと思うと、『阿漕』の痛ましさ、それを喚起する調べの鋭さを感じる。これが特に好きな一首。
