
gato
@wonderword
2026年8月23日
夢みる石
徳井いつこ
読み終わった
引用
石の本
自身がコレクションする石にまつわるエピソードにはじまり、古今東西の石に取り憑かれた人びとの逸話、石の神話・迷信・言い伝えなどを綴ったエッセイ。ボリューム感は劣るが、松岡正剛『ルナティックス』の鉱石版のような読み心地だった。
著名人のなかでもユングの生涯に渡る石との深い関係はじっくりと描かれる。他にはもちろん賢治、ゲーテ、オキーフなどの名前も挙がるが、そうした歴史的な人びとと肩を並べる「石ぐるい」のアマチュア採集家に聞き書きした章もあり、圧倒的に〈音〉として入り込んでくる語りの調子が強く印象に残った。
この煙水晶を、奥マキノの「城のハゲ」でガマから取りだしたのは、真夏でした。こうやって軍手でもってお日さんにかざすと、まぶしいんですわ。目が細うなるわね。すると、こういう結晶のへこんだところが、人の顔に見えることがあるんです。あ、いま笑てくれたんちがうかな、と思うことが。ほら「アラジンのランプ」ってありますやん。蓋を開けたらドロドロンと巨人がでてきて、「おまえの言うこと三つ聞いてやろう」というような(笑)。そんな感じがすることがありますわ。
(75p)
「石ぐるい」たちのこんな話を聞いていると、賢治の童話世界も彼にとってのリアリズムだったのだろうなと思う。
