
torajiro
@torajiro
2026年8月23日
天冥の標(5)
小川一水
読み終わった
天冥の標シリーズ全10作17巻のうち6巻目。前作から数十年後の小惑星パラスに暮らす農夫の生活と、ダダーのノルルスカインの誕生からの歴史が交互に描かれる。本シリーズは宇宙SF世界を構成する様々な文明的な要素を著者の想像の限りを尽くして一つずつこれでもかと描いているような印象を受けるのですが、今巻のそれは農業ということ。宇宙時代における農業、農家のあり方とはどんなものだろうか、というのは想像しがいのあるテーマですよね。本作ではかなり閉塞感のある状態が想定されていたのですが、サイバーパンク的な世界の基礎を支える農業生産みたいなものはこういうものなのかもしれないなと思った。デブリ対策など低重力下ならではのディテールはなるほどなと面白かったですね。シリーズ全体のつながりの中ではダダーのノルルスカインについて描かれる断章が重要で、物語全体の大枠がやっと示されてきた感じがします。続きも楽しみです。