
torajiro
@torajiro
小説、エッセイ、ノンフィクション、学術書に哲学など色々買ったり積んだりしております。
- 2025年10月10日文と本と旅と上林曉,山本善行読み始めた
- 2025年10月9日人間の本性を考える ~心は「空白の石版」か (中)スティーブン・ピンカー読み終わった上巻では「心は空白の石板ではない」ことを明らかにした。 中巻では、じゃあ啓蒙主義からの拠り所だった空白の石板仮説が崩れるなら人間や社会はどうにかなってしまうのでは?という疑問(「生まれつきの違いがあるなら…」「努力しても無駄なら…」「すべてがあらかじめ決定されているなら…」「人生に意味がないなら…」)を一つずつ打ち落としていく第Ⅲ部と、空白の石板じゃないのだとしたら人間の本性はどういうことなのかに改めて向き合う第Ⅳ部。第Ⅳ部が進化心理学の真骨頂というかこれを説明したくてここまで話してきた、という感じの内容です。 相変わらずピンカー節になかなか苦労していますが、それでも慣れてきたのか、大筋が掴めてきたのか、少しずつ楽に読める様になってきました。下巻を読み終わる頃にはピンカーの別の書籍もどんどん読みたいぜ!という気持ちになっているといいのですが。
- 2025年10月9日昨日、若者たちは吉田修一読み終わった香港、上海、ソウル、東京、4つの都市で暮らす若者を描く短編集。元は『オリンピックにふれる』というタイトルだったものが改題されて『昨日、若者たちは』になっており、4編それぞれの若者たちの人生にオリンピックが何らかの形で「ふれて」来るのだけど、その触れ方や距離感は四者四様でオリンピックを射程圏に目指す距離にいる人もいれば、周囲の人の間接的な視点で触れる人もいて、それは読者である私たちもきっとそう。私はまったく近さを感じないものだったが、自分の人生に何らかの形で触れたという人もいたのでしょう。そして改題されたタイトルでは昨日という言葉が用いられて日常が過ぎていくことが想起されるのですが、遠い過去から近い過去まで、そしてこの先に続いていくものまで、必ずしも思い通りにならないというかむしろままならないことの方が多い日常を積み上げながらそれでも歩んでいく微妙な機微を描いてくるこれぞ吉田修一という感じの短編集でとても良かった。
- 2025年10月8日現象学という思考田口茂買った
- 2025年10月5日昨日、若者たちは吉田修一読み始めた
- 2025年10月4日ハイファに戻って/太陽の男たちガッサーン・カナファーニー,奴田原睦明,黒田寿郎読み終わった@ 自宅パレスチナ解放運動にも関わり1972年に36歳の若さで爆殺されたガッサーン・カナファーニーの作品を収めた中・短編集。家族との別れ、家族への思い、家族の生活を守るための葛藤…、一つ一つの感情やそれを生み出しているものを切り分けて取り出せば例えそれが悲劇であったとしても世界中どこの国の文学にもあり得る。それこそ平和な国の文学であっても。それでも本書の7編の作品の舞台やテーマが難民キャンプ、密入国、虐殺、戦争と戦闘という中でしか描かれ得ず、著者自身の体験も交えたものであるということを感じなければならない。著者が亡くなって30年以上が経ち、状況は悪化し続けて、パレスチナを黙殺し続けている世界が続いていることに戦慄するが、文学だからこそそこに描かれた感情が文化圏を超えて届く可能性について希望を捨てず本書を薦めていきたい。
- 2025年10月1日舞台西加奈子買った
- 2025年10月1日
- 2025年9月27日宇宙と物質の起源 「見えない世界」を理解する高エネルギー加速器研究機構素粒子原子核研究所audible読み始めた
- 2025年9月26日ネット右翼になった父鈴木大介audible読み終わった癌に侵された晩年の父がネット右翼に変節してしまったと感じコミュニケーションを閉ざしたまま見送ってしまった著者が、改めてネット右翼とは何で、父は本当にネット右翼だったのかを掘り下げていく話。印象的なタイトルからネット右翼がテーマかと思いきや、もちろんそれについての考察も色々あるけれど、中心軸は家族との関係について。筆者、姉、母で父像が大きく異なることや筆者自身の固定化した見方によって歪んでいたものについて振り返っていく苦しい作業が詳らかにされていてなかなか独特な本だった。
- 2025年9月25日できるGoogle NotebookLM 可能性は無限大!自分専用AIノート活用法清水理史,できるシリーズ編集部買った
- 2025年9月25日人間の本性を考える ~心は「空白の石版」か (中)スティーブン・ピンカー読み始めた
- 2025年9月24日昨日、若者たちは吉田修一買った
- 2025年9月21日ハイファに戻って/太陽の男たちガッサーン・カナファーニー,奴田原睦明,黒田寿郎読み始めた
- 2025年9月21日祈りの海グレッグ・イーガン,山岸真読み終わった@ 自宅初めて読んだのが『ディアスポラ』で、めちゃくちゃ面白かったけど、難解さにハードルが上がりすぎて数年手を伸ばせずにいたイーガン。読みやすいものも多いよ、と何人にもおすすめされてやっと読んでみたのですが、本当に読みやすくてびっくりした。なんというかその設定における思考実験の方向性やそこで積み上げる論理が個人的に肌に合う感じ。そこが合わないからこそ予想外の面白さを感じるSFも少なくないけど、ついていくのにパワーは使ってしまう。その点イーガンの本作は斬新な設定も多いけど、違和感なく読めて良かった。どれも面白かったけど、『君の名は』のインスピレーション元になっているらしい『貸金庫』は短いながらも特にイーガンの「この境遇に置かれた人はどのようにそのことに気づいていくのか」を丁寧に思考実験した感じが出ていて怖くも面白かったし、本作に近い設定の『君の名は』もちょっと見てみたくなった。
- 2025年9月19日人間の本性を考える ~心は「空白の石版」か (上)スティーブン・ピンカー読み終わったまず上巻では、ブランクスレート説が啓蒙主義の流れからいかに主要で大きな力を持つことになっていったのかの経緯や流れの確認と、進化学や脳科学などの発展からブランクスレート説への意義や修正を求める近年の学説の紹介と、それらの新しい学説を批判するラディカルサイエンスへの反論まで。 遺伝に関して最近読んでいた本はこの本を読むための準備運動のつもりだったが、まさに、という内容だった。やや文章が読みにくい(訳の問題というよりピンカーの文章が日本語と相性が悪い気がする笑)ことも含めて予習を行なってきて良かった。 人間の平等や格差、多様性など色々な議論や実践とも密接に関わるテーマであり、科学的には色々なことがどんどんわかってきている分野でもあるが、微妙なタブー感がいかに強いかということや、学術分野での論戦のありようなども色々わかって興味深い。中巻、下巻も読み通して、自分の考えを言葉にできるようになりたい。
- 2025年9月16日ネット右翼になった父鈴木大介audible読み始めた
- 2025年9月14日会話を哲学する三木那由他audible読み終わったコミュニケーションは話し手と聞き手との間に約束事を形成するものであり、マニピュレーションは聞き手を話し手の意図通りに操作することであり、両者は区別される必要がある。この両者の様々なズレやバリエーションについて漫画や小説などのフィクション作品における会話を題材に解説していく。素晴らしくわかりやすかった。この本を読むことで実際の会話におけるコミュニケーションやマニピュレーションについてもアンテナを貼ることができるようになるし、小説や漫画の読解力を上げることもできるように思います。 それにしても『鋼の錬金術師』はおしゃれなマニピュレーションの宝庫だな。本書で取り上げられてたところ以外にもたくさん思い浮かんだ。
- 2025年9月10日主体的・対話的で深い学びに導く 学習科学ガイドブック北澤武,千代西尾祐司,大島律子,大島純,大浦弘樹,大﨑理乃,山口悦司,望月俊男,河﨑美保,河野麻沙美,益川弘如買った
- 2025年9月10日傷つきやすいアメリカの大学生たちジョナサン・ハイト,グレッグ・ルキアノフ,西川由紀子買った
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