
ぽかり
@popopocari
2026年8月24日
読み終わった
自分の身に起きていたかもしれない、もうひとつの世界線
読み終えて、しばらく何も言えなくなってしまった。
作中で出会った「記念日反応」という言葉。
ただでさえ重い痛みに、さらに意味が上書きされるような二重苦に「知りたくなかった」と強い拒絶感を覚えてしまう
また、主人公の壱晴には、自分と重なる部分が多い。過去の傷に囚われ、内罰的な思考に陥ってしまう感覚は痛いほどよく分かる。
だからこそ、その穴を埋めるかのような「女の子遊び」に逃げる姿にはどうしても共感できなかった。それで傷が埋まらないことなんて、痛いほど分かっているはずなのに。
途中までは、彼が抱える「忘れられない気持ち」「忘れてはいけないと追い詰める気持ち」に自分を重ねすぎてしまい、苦しくて仕方がなかった。
けれど、最後に彼らが選んだ結びつきを見て、言葉を失った。
「そうか、そういう選択になるのか」
傷を完全に消し去るのではなく、抱えたまま生きていく。その静かな決断に、苦しさだけではない揺らぎを残されたような気がしている。
私にはまだその道を選ぶことはできないな

