結 "ヨンケイ!!" 2026年8月24日

結
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@yi_books
2026年8月24日
ヨンケイ!!
ヨンケイ!!
天沢夏月
私にも、一生忘れられないレースがある。4継ではなくマイルだけど、バトンを持って走ったあのトラック1周のことは、忘れたくてもきっと死ぬまで忘れられない。高3のインターハイ予選、県大会の決勝だった。6位までが関東大会のボーダーで、結果は7位だった。たぶん人生で、あれより悔しい思いをすることはこれから先もきっとないのだと思う。一番嬉しかったレースは国体予選で関東出場を決めたレースなのだけど、そのレースの記憶は実はあまり残っていない。一方で関東大会の準決勝のレースは覚えている。これも、あと一歩及ばず負けたレースだ。悔しかったレースのことの方が覚えているなんて、皮肉だなと思う。 4継も、マイルも、大好きだった。いや、大好きになった。きっかけは多分ひとつじゃなかったけれど、明確にいくつかリレーにハマった瞬間があったことは覚えている。 中学〜高1までは、個人種目で勝てればいいと思っていた。陸上って、個人競技ですし。 高校で入った陸上部は、弱くも強くもない、リレーチームもまあ補欠込みでギリギリ組めるくらいの人数だった。例に漏れず、私もその頭数の1人だった。自分たちになにか強みがあったのだとしたら、多分リレーに賭ける思いが人一倍強いチームになったこと。それだけと言えばそれだけだけど、それでも関東大会に出場できてしまうのだから、リレーは面白い。 一人ひとりの走力は本当に平凡で、県大会には出られるけど決勝は夢くらいのレベルだった。私はそもそも短距離の選手ではなかったのだけど、高2の夏に怪我をしたことをきっかけに、個人競技を全部諦めて、リレーだけを走ったりしていた。普通に考えて、変である。 正直、あの頃のチームメイトと今は誰1人として連絡を取っていない。だから、根っから仲が良かったというわけではないのだと思う。 ただ、信頼していた。小説を読んで気付くことになるとは思わなかったけれど、私は前の走者が自分に追いつかないかもしれないと思ったことも、次の走者にバトンが渡らないかもしれないと思ったことも、記憶している限りでは一度もなかった。幸せな競技人生だったと今になって思う。 小説を読むことで、青春を丸ごと思い出させてもらった気分だ。 どなたかぜひマイルの小説も書いてください(他力本願)。陸上の花形は、マイルですので。
ヨンケイ!!
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