

結
@yi_books
読むスピード<買うスピード
- 2025年9月25日八日目の蝉角田光代読み終わった最初は全く共感できなかった希和子の逃亡劇を、物語が進むにつれて何故か味方してしまいたくなるような不思議な体験。きっと、薫を慈しみ愛する姿に美しい母娘の姿を見てしまったからなのだと思う。 薫の行く末と希和子の最後の言葉に胸がギュッと締め付けられて、どうか2人が幸せな人生をこれから送っていけますようにと願わずにはいられなかった。
- 2025年9月18日タスキ彼方額賀澪読み終わった学生時代陸上部に所属していたので、中学生の頃から年末年始休みの宿題として顧問に課されるのは「箱根駅伝を見ること」だった。 私にとっては物心がついた時から"当たり前にある"箱根駅伝を開催するために、色々な思いを背負って奔走した戦中戦後の学生たちの姿に涙が止まらなかった。
- 2025年9月11日チョコレート・ピース青山美智子読み終わった青山美智子さんの小説が読めて増田彩来ちゃんの写真が手元における私的最高の本が本屋さんに並んでいて迷わずレジに直行した1冊。 青山さんらしい読み心地のBOX1と、それをさらに面白い読書体験にしてくれるBOX2の構成が面白くて一瞬で読み終わってしまった。
- 2025年9月9日
- 2025年9月7日どうせ世界は終わるけど結城真一郎読み終わった各短編が最後の章に繋がっていく世界の交わりがとても好きだった。そのうえで、どの短編も個々としてもとても好きだったな。"どうせ終わる世界"で生きているからこそ、登場人物たちが人間らしくて、でもこれって今を生きている私たちのことだよね、とも思えて。 私たちはどうせいつかは終わる世界で生きていて、それがたまたまいつなのか知らないだけで。だったらもっと好きに生きてもいいんじゃないか?と作中を通してずっと問いかけられているようで、グサグサ刺さった。 お気に入りは「友よ逃げるぞどこまでも」かな。
- 2025年9月6日魔女の館の殺人三日市零読み終わった私も謎解きが好きで謎解き公演に行くこともあるので、作中に出てくる謎も一緒に楽しみながら読めて面白かった! 理人と詩文のコンビの謎解きシリーズがもしまた出たら絶対に読みたい! こんな事件がそんなに何度もあってたまるかよ、というのはさておいて……。 自分から普段手に取るジャンルの作品ではなかったので、たくみさんとほんタメ文学賞に感謝!
- 2025年9月6日謎の香りはパン屋から土屋うさぎ読み終わった美味しそうなパンと、どこにでもありそうな身近な雰囲気。このミス大賞と聞いて少し身構えてしまったけど、スイスイ読めた。 作品全体の人間関係のあたたかさにほっこりしたり、小春ちゃんの洞察力に驚いたり。 まんまとパンが食べたくなりました🥐
- 2025年9月2日一撃のお姫さま島本理生読み終わった30代後半、独身女性の生活と仕事と恋愛、結婚と諦め、みたいなものをひしひし感じる前半3話と、また少し変わった女性たちの生き様が綴られた後半2話。どれもジクジクと胸に刺さった。 特に好きだったのは『家出の庭』かなぁ。 これでほんタメ文学賞あかりん部門は全て読了!
- 2025年8月30日しろいろの街の、その骨の体温の村田沙耶香読み終わった教室という名の小さな世界でのヒエラルキー、自分のことをどこか特別であると勘違いしていた……特別であると思いたかった……中学生のなんとも形容し難い自意識。人間の醜い部分であり、きっと誰もが通ったであろう道がまざまざと描かれていて、目を瞑りたいような、それでも気になって見てしまうような、そんな読書体験だった。苦しくなったり、戻りたくはないけれど、若さがとても眩しくなったり、不思議な読後感。
- 2025年8月30日マイ・ディア・キッチン今井真実,大木亜希子読み終わった天堂さんと那津さんに、読んでいる私まで抱きしめてもらったような気分。本当の自分とはなんなのか、葉ちゃんと一緒に自分の内側に問いかけて、弱さも、自分自身の嫌いなところも全部、それでいいと、それがいいと、言ってもらえたような感覚になって、なんだか泣きたくなった。
- 2025年8月21日カット・イン/カット・アウト松井玲奈読み終わったメインキャストがみんなとても魅力的で、それはきっとそれぞれが人間臭さを抱えているからなんだろうなと感じた。 心の機微を拾う描写がとても丁寧で、心情描写の透ける景色や心情ありきの彼らの行動に、唸らされてばかりだった。 お芝居、とりわけ舞台演劇が大好きなので、そういう意味でもとても好きな作品になった。 とっても良かったな。こういう作品が読めて嬉しい。 松井玲奈さんの作品は今回初めて読んだのだけど、こんなに自分に刺さると思っておらず慄いている。 ほんタメ文学賞の候補作とのことで手に取ったのだけど、他の作品も必ず読みたい。 ほんタメとあかりんに大感謝。
- 2025年8月18日天才望遠鏡額賀澪読み終わった天才と呼ばれる側の人、そしてその側にいる人、それぞれの視点のそれぞれの想いにどれもわかるなと共感できる部分があってとてもグッときてしまった。 「このまま続けたらね、スケートを嫌いになる気がしたんだ」ってレイナの言葉が思わぬところに刺さって抜けない。 「エスペランサの子供たち」と「星原の観測者」が特に好きだなと思ったけれど、意外と自分の中に残り続けるのは「妖精の引き際」なのかもしれないという予感が少しある。
- 2025年8月17日
- 2025年8月11日島はぼくらと (講談社文庫)辻村深月読み終わった小さなコミュニティで生きる難しさと、繋がりの深さ。 それぞれが抱える生き辛さと信念に、誰かを想うあたたかさが複雑に絡み合って、人と向き合うこと、他人と共に生きていくことについて考えさせられた。 4人が自分の置かれた環境でやりたいことをみつけ、それに向かって生きていくラストがとても良かった。
- 2025年8月10日図書室のはこぶね名取佐和子読み終わった高校生の頃のこんがらがった胸の内や、1人になりたくて図書室に逃げていた中学時代のあの日々を思い出して心臓がギュッとなった。 あの時の私にも身近にこんな大人が居てくれたらな……と思ったり、人との繋がりのあたたかさに胸を打たれたり忙しかった。
- 2025年8月4日光のとこにいてね一穂ミチ読み終わった誰かのことを自分の人生の全部のように思えることの尊さ、怖さ、残酷さ、そして愛おしさ。羨ましくて堪らなかった。傷つくことが怖いから、私は2人みたいに他人に踏み込めない、と思うけど、そういうことすら過らない関係性だってきっと、あるんだな。 今、彼女らの周りにいる人たちがとても優しくて、それが逆にとても残酷だと思った。優しさと鋭さは表裏一体だ。とても苦しくて、とても眩しい。目が眩んで、それなのに目が逸らせなかった。 『光のとこにいてね』作中の言葉とリンクするタイトルが胸に刺さって、その傷口が、痛くて甘い。
- 2025年8月1日死んだ石井の大群金子玲介読み終わった読み進めるにつれて増える謎と、それらが繋がっていくような、でもズレてもいくような不思議な感覚が、最後に綺麗に回収されるのがめちゃくちゃ心地良かった。 金子玲介さんの作品の"会話や台詞"と"状況や行動"が錯綜するような文体が、現実のようで、戯曲のようで、とても好きだ。
- 2025年7月31日正しい女たち千早茜読み終わった千早さんの文章って、どうしてこんなに"湿度"を感じるんだろう。 女の怖さ、息苦しさ、強さも弱さも、嫉妬も執着も、何もかもを生々しく全て凝縮したような短編集。目を凝らすと連作になっているのもとても楽しかった。
- 2025年7月28日死んだ山田と教室金子玲介読み終わったあーーーーー!よかった!最後ちょっぴり泣いちゃった。なんか上手く言えないけど、やるせなくて。 友情って、双方向に向いてるようで実はほとんどが一方通行だったりする。それが寂しくて苦しい。もうこれ以上傷付きたくないからと思うのに、どうしても人といることを望んでしまったりする。手放す勇気は、いつまで経っても、ずっと、出ない。 私にとってコロナ禍は、友達に篩がかかる期間だった。 ちょうど社会人になりたてだったタイミングで"人と会えない"状況に放り込まれた私たちは、人と繋がりたいと思うと同時に、自ら積極的に繋がりを保ちたい人、と、そうでない人、を無意識に分類していたように今振り返ると感じてしまう。 なんだか終盤を読みながら、ふとそんなことを思い出して、今はもう、ただ惰性でSNSで繋がっているだけの、"友達"と呼ぶことすら憚られるような、でも当時は歴とした友人だった、彼ら彼女らの顔が走馬灯のように頭の中を流れていった。なんとも言えない、苦い味がした。
- 2025年7月27日天使は見えないから、描かない島本理生読み終わった幸せは人それぞれとはよく言うけれど、倫理とか、モラルとか、結局ある程度の枠に縛られて、固定概念の枠から外に飛び出さないように無意識に制御して、私たちは生きているのだと思った。 ハッピーエンドってなんなんだろう、幸せって、なんなんだろう。
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