雨と雨のあいだ "システム開発と「具体と抽象」..." 2026年8月25日

システム開発と「具体と抽象」〜問題発見と問題解決を往復する「思考のメタ化」を身につける〜
アジャイルやプロトタイプの狙いは、単に早く具体物を作ることではなく、「具体⇄抽象」の往復運動をプロセスに組み込むことにある。実際、要件調整でも「つまりこういうこと?」と具体を返して初めて、「そう、それで思い出したけど」と新しい要件が出てくる。具体化は確認というより、相手と一緒にまだ見えていないものを発見するためにある。 一方ですべての具体を知ってから正しいコンセプトを描くことはできない。限られた具体から仮説として抽象化し、具体に落として反応を見て、また抽象に戻る。上司からの資料作成リクエストなんかも、言われたものをそのまま作るのではなく、自分で意図を仮説立てしてラフを作り、当てて、また考える。その往復の速度を上げたい。 ただし、抽象化する能力があればいいという話でもない。そもそも抽象化や俯瞰を評価する組織なのか。権力を持つ人がすぐ具体の話に引き戻す環境では、抽象レベルで構造を考えること自体が難しい。そこが変わらないなら、本にあったように「土俵を変える」のもひとつなんだろう。 抽象→具体は仕事をしていればある程度慣れる。一方で具体→抽象は、意識的にやらないとなかなか鍛えられない。相手がいまどの抽象度で話しているのかを捉え、自分で階層を上げ下げする。その往復の回数と速度を上げることを意識したい。
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