
ジクロロ
@jirowcrew
2026年8月26日
生命は変換の環である
ニック・レーン,
斉藤隆央
読んでる
本書では、エネルギーと物質の流れがいかにして生命の進化や、さらには遺伝情報をも構成し,われわれ自身の生に消えないしるしを残しているのかを探ることになる。私は標準的な見方を覆したい。遺伝子や情報は、われわれの生の核心的な部分を決定してはいない。むしろ,ずっと非平衡の状態にある世界で、エネルギーと物質の絶えざる流れが遺伝子そのものを魔法のように生み出しており、情報に浸りきった現在のわれわれの生においてさえ、遺伝子の働きはそうしたフラックス(物が途中で変化するような流れ)が決定しているのだ。動きはフォルム(形)を生み出す。
(『生そのもの』)
動きがフォルムをもたらすということ。
当然と言えば当然のような気がしなくもない。
優しい身振りに包まれて育てば、優しくなる。
動き、流れ、そして受け手の感受性が流線、柔らかな輪郭を醸す。
「優しさとは」という講義(情報)を見ても、優しさそのものは伝わらない。「優しさというものを伝えたい」、その目的こそが死んだ情報とも言えるからだ。
がん細胞は、細胞呼吸の老衰に浸け込み増殖する。
「死にかけている」という情報は、死を加速させる。
これは生にかんする動的な隠喩である。
情報は、得るよりも先に生むもの。
生めば、生まれるものがきっとある。
