
くらな
@3bus_0830
2026年8月27日

日本風景論 (講談社文芸文庫)
加藤典洋
読み終わった
日本人の景観意識において、明治四年の〝廃藩置県〟が行なったと同様の改変を行なったと見ることができる。藩が廃され、一瞬日本に権力の真空状態が生まれたかと思うと、県が置かれ、別種の権力秩序が敷かれる。名所的な古来の「探勝的風景」が廃され、新しい均質的な風景秩序が敷かれる。『万葉集』以来日本の古歌に現れ、しかも京畿中心の風景秩序の中で奇異な、〝収まりきれなさ〟を残していたかに見える「富士山」は、ここで、廃藩置県における「天皇」に類似した位置を占めるのである。