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くらな
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@3bus_0830
いまでもあなたはわたしの光
  • 2026年8月21日
    原稿零枚日記
    原稿零枚日記
    あの時母はもう準備を進めていたのだ。少しずつ声だけをまずあちらの世界へ送り届ける準備を。なのに私はそんな重大な事態に気づきもせず、ただ沈黙をどうやってやり過ごそうかとそればかりに囚われていた。その上更に、母との最後の会話も忘れてしまった。きっと、最後の時があったはずだ。その時母は、さあいよいよこれを手放したら後にはもう何も残らない、おいう最後の一声を私に発し、それが娘の掌に落ちて消えてゆくのを見送ったに違いない。
  • 2026年8月19日
    なぜアジはフライでとんかつはカツか?: カツレツ/とんかつ、フライ、コロッケ 揚げ物洋食の近代史
    早くからパン粉が「作るもの」から「工業製品を安く買うもの」となった日本では、パン粉を使う洋食文化が継承された。一方、料理人の労働によりパン粉を作っていた=無料の食材として活用していたイギリスにおいては、使用人が消滅しパン粉が買うものとなって以降、パン粉料理は廃れてしまった。
  • 2026年8月17日
    あんかけ焼きそばの謎
    一九世紀後半、広東料理のあんかけ焼きそば「炒麺」がアメリカへ伝わり、揚げ麺を使った「チャウメン」が生まれた。一方、幕末から明治にかけて、横浜へもあんかけ焼きそば「炒麺」が伝来し、「ヤキソバ」と翻訳された。 その後、遅くとも明治三〇年代初頭には揚げ麺の「チャウメン」が、横浜や長崎へ渡来した。漢字表記は「炒麺」なので、「ヤキソバ」という既存の和名がそのまま適用された。その結果、長崎でも横浜でも揚げ麺なのに「ヤキソバ」と呼ばれるようになった。
  • 2026年8月14日
    ソース焼きそばの謎
    市場へも小麦が潤沢に出回り始め、ようやく食糧危機が解消されはじめた。一般的に、ヤミ市でのお好み焼き・焼きそば・ギョウザなどが取り上げられる際、昭和二〇年の終戦直後から現れたという印象が強い。しかし、上記のような事情で、小麦粉が手に入りやすくなったのは、昭和二四~二五年からだ。昭和二五年以降に、輸入が減った米の代替として、小麦粉を使ったコナモンの需要が増え、本格的に広まったのだろうと推測される。
  • 2026年8月13日
    黙祷の時間 (Shinchosha CREST BOOKS)
    黙祷の時間 (Shinchosha CREST BOOKS)
    押し合ったり、方向転換したりしながら、ぼくたちは水が深い方へと泳いでいった。お互いに追いかけ合い、ぼくは彼女を引き寄せるとぴったりとくっつき、彼女の体に腕を回した。彼女の驚いた様子、びっくりしたようなまなざしと、幸せそうに身を任せる仕草をぼくはけっして忘れないだろう。まるで待ちかまえていたかのように、二つの体はぴったりと重なった。波に浮かんで体勢が崩れ、ぼくたちは笑った。
  • 2026年8月12日
    世界の食べものーー食の文化地理
    文明の興亡と関係をもちながら形成されてきたユーラシア大陸の伝統的食事文化を巨視的に眺めたとき、東西の二類型にわけることができる。西の牧畜をともなう麦類の食事文化と、東の非牧畜で米を主食とする食事文化である。「東の類型」の分布は東南アジアと東アジアである。インド亜大陸には米食地帯もあるが、そこは牧畜をともなった食事文化であり、麦を主食とする地域もあることが、東南アジアとことなっている。
  • 2026年8月10日
    もしロシアがウクライナに勝ったら
    もしロシアがウクライナに勝ったら
    ロシアを決定的な敗北へと導く決然とした努力がなされなかったのは、プーチンがいずれこの戦争が「割に合わない」ことを悟るのではないかという、交渉関係者の多くが抱いていた無邪気な願いにも起因する。
  • 2026年8月8日
    二大政党制と多党制 政党政治の実相と可能性
    第二次世界大戦後の主要国においては、冷戦の下で資本主義か共産主義かという体制選択論が終焉し、政治においては資本主義の枠内で再分配をどの程度行うかをめぐる自由主義政党と社会民主主義政党の競争が、経済においては経営者と労働組合の非敵対的な協議(戦後労使和解体制)による待遇改善が、それぞれ基調となった。そうなると、政党間の相違はそれほど明瞭ではなくなる。先に言及した「新しい価値観」の出現や新興急進政党の台頭の背景には、主要政党間の相違が小さくなりすぎたという有権者の認識があった。
  • 2026年8月5日
    明治洋食事始めーーとんかつの誕生
    江戸期の密かな肉食や薬喰いについては、さまざまなエピソードがある。「薬喰い」とは、養生や病人の体力回復のために、薬代わりに肉食をする風習である。肉食禁止令が発令されてからも、飛鳥・奈良期には薬猟がおこなわれ、江戸期には薬喰いが盛んであった。このように、仏教に帰依した貴族や大名たちも、なにかと理由をつけては肉食を楽しんだのが実情である。
  • 2026年8月5日
    世界の果ての本屋さん
    世界の果ての本屋さん
  • 2026年8月5日
    王室・後宮・奥・ハレム
  • 2026年8月5日
    「いいね!」の裏側で
    「いいね!」の裏側で
  • 2026年8月5日
  • 2026年8月5日
    微生物学者、発酵食品のマタギになる
  • 2026年8月4日
    YABUNONAKA-ヤブノナカー
    「あなたには分からない。世界はあなたに分からないことで満ちている。あなたには何かが分かってるのかもしれないけど、この世界はあなたには分からないことだらけだよ。そんなあなたが小説を書いても、何も伝わらないだろうね」
  • 2026年8月2日
    反文学論
    反文学論
    「文学」がイデオロギーなのだ。「文学」の外に政治があるのではなく、「文学」が政治なのだ。「政治と文学」という考えはすでに「文学」である。文学に拠って自己確立(自己実現)しようとか、あるいは文学に閉じこもるべきではないとかいった議論は、すでに「文学」である。「文学」はそれによって無傷のまま生きのびる。
  • 2026年7月31日
    ヨーロッパ 繁栄の19世紀史 ──消費社会・植民地・グローバリゼーション (ちくま新書)
    ヨーロッパ諸国の経済的利害は、最終的にはイギリスの手数料資本主義のそれと一致していた。さらに欧米のどの国が利益をえようと、その利益の一部は最終的に手数料という形態をとってイギリスに流れ込むことになっていた。それがベルエポックの経済・社会構造だった。
  • 2026年7月30日
    会話の0.2秒を言語学する
    会話では、一人の話者が話し、それが終わると別の人が話し始める。話者が交替するまでの発話を「ターン」といい、話者の交替を「ターンテイキング」というが、イギリスの言語学者であるスティーヴン・C・レヴィンソンらの研究によると、ターンテイキングには平均して200ミリ秒──つまり0・2秒しかかからないという。タイソン・ゲイが涙を吞んだ130ミリ秒とさほど変わらない、極めて短い時間である。
  • 2026年7月28日
    レモン畑の吸血鬼
    レモン畑の吸血鬼
    日本中が変化を強いられている。その点では、わたしたち〈蚕女工〉だけではなかった。わたしは祖父が自分の土地の小作人になるのを見た。奴隷の身分に。江戸に黒船が現れた時分、祖父は若者だった。祖父は粟と赤そばを育てた。穀物の半分を地代として払い、それが三分の二度となり、最終的には、二度の凶作が続いたのち、収穫物をすべて差し出すことになった。その年、儀式として、そして実際に、京都から今では東京と呼ばれれ江戸へと、首都が行列を組んで移動した。世界は馬車の車輪の下に名前を脱ぎ捨てていき、御籠に乗った十代の天皇が、まるで荘厳なる毛虫のように山々を超えていった。
  • 2026年7月26日
    もぬけの考察
    もぬけの考察
    その時初めて初音は白いレースカーテンのようなものの向こう側にいる女と目が合った。女は天井に張り付いて初音を見ていた。
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