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くらな
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@3bus_0830
いまでもあなたはわたしの光
  • 2026年7月8日
    性的であるとはどのようなことか
    両陣営が「自分や大切な誰かの感性を守りたい」という思いに突き動かされているように見えるからだ。性的なものを規制すべきだと言いたい人は、公共空間での強制的な性的刺激が人々を傷つけると感じる。彼らを守りたい。性的なものを規制すべきではないと言う人は、表現へのアクセス制限が自分の性の自由や幸福を奪うと感じている。それを守りたい。 批判と応答の応酬のなかで、人々は互いを敵対視し、宥和の難しい集団として相手を一般化し、分断はいっそう深刻化しがちである。ここで哲学にできることはあるか。
  • 2026年7月6日
    ひのえうまに生まれて
    一九六六年に生まれた子供の数が、前年よりも二十五パーセントも少ないことをまだ知らなかった私には、「今の世の中において、丙午の迷信を信じる人がいるわけがない」という気持ちもあった。それは伝説のような話であり、桃から赤子が生まれたり、竹から姫が出てきたりするわけがないのと同じように、丙午に生まれた女性の前途が暗いとは思っていなかったのだ。
  • 2026年7月5日
    酒をやめられない文学研究者とタバコをやめられない精神科医が本気で語り明かした依存症の話
    アディクションと死は表裏一体の関係にあります。というのも、アディクション自体が、「死にたいくらいつらい現在」を生き延びるために、「死んで解放される」のを一時的に延期し、迂回する手段だからです。したがって、もしもアディクションの効果が減衰したり、何らかの事情でアディクションが不可能となったりすれば、死は現実として迫ってきます。
  • 2026年7月2日
    イランの地下世界
    政教一致の国では、政治と一心同体である宗教も常に毀誉褒貶にさらされるため、政治が信用を失えば、宗教の権威も失墜してしまうのだ。政教一致にのる「政治の独裁化」と「宗教の弱体化」。皮肉なことに、そのどちらもイランでは現実のものとなっている。
  • 2026年6月29日
    アンチ・グッドモーニング
    どの夢も、見ている最中は逃げることができなかった。どう考えてもおかしい状況なのに、それらはおかしいとかんがえる間すら与えることなく、ラップがぴったりと食材の表面を覆うようにあらゆる可能性からわたしを閉ざした。だからわたしは毎回の行き先を知らないままバスに乗り続け、観客の前で立ち尽くし、似ても似つかない両親と鬼まんじゅうを食べた。
  • 2026年6月28日
    小麦畑できみが歌えば
    「私、おばあちゃんをアンバーに連れていきたい」 空色の目を細めて、祖母は唯吹の手を、つよく握り返した。「ありがとう。でもあたしは自分でどこでも行ける」
  • 2026年6月27日
    神を哲学した中世―ヨーロッパ精神の源流―(新潮選書)
    権威をもつ学問は、その一般人が抱く「思考された想像世界」に向かって、目に見えないものを含んだある形、ある構造の世界が、本当の世界であると立派に説明していた。それが当時の「神学」だった。そして、世界を説明できる「ことばの力」は、哲学の名で知られていた。哲学は異なる見解をもつものどうしの間で、自分の見解こそ説得力があることを証明する戦いであった。
  • 2026年6月25日
    中世ヨーロッパの社会観 (講談社学術文庫)
    複雑化した社会のありようを、異なる価値と役割をもったさまざまな構成員の調和として表現するために、隠喩による社会の把握が好んで用いられるようになる。隠喩を用いた社会像の特徴は、人体やチェスと社会の比較の議論などを見れば明らかなように、それによって、異なった機能をもつ諸部分の全体における調和が、生き生きと理屈抜きで、あらゆる人間が理解できる形で提示できることにある。つまりこうした隠喩を使うことによって、階層秩序に基づいた調和という中世の社会観の根幹が、最もよく表されることになる。
  • 2026年6月19日
    ヨーロッパ文明の起源 ──聖書が伝える古代オリエントの世界
    彼らは現在のイスラエルとその周辺にあたる「カナンの地」を、神から与えられた土地と信じ、そこに彼らの本拠地を築こうとしてきた歴史があります。しかしそこはエジプトとメソポタミアの中間地点にあたるため、両地域の勢力からの支配をたびたび受けてきた土地でもあります。そうして他民族から幾度となく独立を脅かされてきたユダヤ民族の歴史の一ページとして、紀元前五八六年、ときのユダヤ民族のユダ王国が滅亡するのですが、この時の敵国が新バビロニアなのです。王位に就いていたのなネブカドネザル二世。
  • 2026年6月19日
    東京湾景
    東京湾景
    渡ってくるはずないと思っていた何かが、今、まっすぐに自分の元へ向かってきている。亮介のからだではなく、彼の何かが、東京湾をまっすぐに、今、自分のほうへ泳いできている。
  • 2026年6月16日
    死体埋め部の悔恨と青春
    祝部は慣れない車内で揺られながら、少しずつ微睡み始めていた。織賀はきっと文句を言うだろうが、単なる後輩である祝部は気にしてはやらない。
  • 2026年6月11日
    ハル、ハル、ハル
    そして物語に終わりはない。全部の物語の続編にだって。この場面のあとにも場面はずっとずっと続いて。時間は後ろに流れてつづけて。でも。とりあえず。乱暴で純粋な者たちの続編は終わる。ハルとハルとハルのそれは。世界は種別を喪失してハルたち三人の物語はたった一つの現実に変わる。
  • 2026年6月9日
    パーク・ライフ
    彼女は一つの作品を特に興味もなさそうに身終えると、横に立つぼくにわざとぶつかり、次の作品の前へ移動させる。初めて気づいたのだが、彼女の頬には耳の下から伸びる顎の線上にほくろがあった。それさ顎の裏に隠れそうで隠れない、微妙な場所にある色の薄いほくろだった。
  • 2026年6月8日
    TYOゴシック
    TYOゴシック
    答えはない。なぜならば問いがないからだ。そこにあるのは怪物がいるという事実だけだ。怪物は冬眠している。これが第一の段落。
  • 2026年6月4日
    最後の息子
    最後の息子
    「坊主、今から十年後にお前が戻りたくなる場所は、きっとこのバスの中ぞ! ようく見回して覚えておけ。坊主たちはいま、将来戻りたくなる場所におるとぞ」
  • 2026年6月1日
    映画を早送りで観る人たち
    倍速視聴の背景にある定額制動画配信サービスの作品供給過多も、LINEの共感強制力も、他人の芝生が青く見えてしまうSNSの仕様も、ネット警察の存在も、あらゆる〝答え〟が最短・最速・実質無料で手に入ってしまう環境も、全部インターネットが提供したものではないか。
  • 2026年5月31日
    ほとんど記憶のない女
    ほとんど記憶のない女
    道路脇の怒りの爆発、路上の会話の拒否、松林の無言、古い鉄橋を渡りながらの無言、水の中の歩み寄りの努力、平らな岩の上の和解の拒絶、急な土手の上の怒声、草むらの中のすすり泣き。
  • 2026年5月28日
    猛スピードで母は
    それよりもっと別のなにかが「そろそろなんじゃないか」という気がする。
  • 2026年5月26日
    枕元の本棚
    枕元の本棚
    会ったらいくらでも話せる関係でも、手紙やメールではまったくやる気がなかったり、言葉の上では密着していても、実際に顔を合わせるとよそよそしかったりすることもある。どちらがいいというわけではない。ただ、その中でも、文字上のコミュニケーションのもっとも原始的かつストイックな「文通」という行為には、強烈な遠さと、遠さ故の幻想の激しさのようなものにおいて、あらゆるコミュニケーションの中でも独特の地位が与えられているように思う。遠い。遠くてもわたしたちには話すべきことがある。
  • 2026年5月24日
    かか
    かか
    どんなに知的で自立した女の人であっても、たった一言であほらしい猥談のなかに取り込まれてしまうんがどれほどまでに悔しいことか、おまいにはわかりますか。
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