

くらな
@3bus_0830
よく晴れた暖かい日の午後、アンバー氏に会いたいと思ったら、裏庭の木立に沿って並ぶベンチを探したらいい。枝葉の影が差していない、日溜りの真ん中にあるベンチに彼は腰掛けている。骨ばった背中を丸め、心持ち首を傾け、左側の目を日差しの方に向けてじっとしている。
- 2026年4月2日
- 2026年3月31日
- 2026年3月29日
- 2026年3月24日
考察する若者たち三宅香帆読み終わった現実の親ではないが理解のある親代わりの叔父や叔母というのは、ある意味現代で最も求められているファンタジーなのかもしれない。「界隈」の違いもなく接することができる。それでいて、年上であるがゆえに、相談すれば「正解」に近いことを教えてくれる。 - 2026年3月22日
- 2026年3月18日
- 2026年3月16日
言語化するための小説思考小川哲読み終わった創作の過程において、創造主たる作者は「奇跡」を強調しがちである、しかし、一つの作品を作り出すためには無数の「アイデア」や「登場人物の会話」が必要にやるので、「奇跡に頼って創作をすることはできない。本当の「奇跡」は、作者が作者だけのやり方で、再現性のある形で「奇跡(に見える何か)」連続して引き起こすことだ。 - 2026年3月11日
- 2026年3月10日
- 2026年3月9日
- 2026年3月3日
百年泥石井遊佳読み終わった人魚姫は声を手ばなし、人の身を得た。母が得たもの、それが何だったか私にはわからない。母の部屋を片付けているときふと、たったひとつ母がこの世で得た二本の脚、それは私だった。そう信じることに心をきめた。 - 2026年3月3日
ニムロッド上田岳弘読み終わった再読ただごろりと文章があるんだ。意味なんて知らない。展望があるかどうかも知らない。僕は駄目な人間だから、そんなことは考えない。僕と同じ駄目な人間が皆そうであるように、この文章はただ、ごろりとここにあるだけなんだ。 - 2026年3月2日
- 2026年2月28日
- 2026年2月26日
- 2026年2月18日
ダンス竹中優子読み終わったやっぱり下村さんの背筋はまっすぐに伸びていた。そのすっと伸びた下村さんのすぐ奥にハイティーン・ブギを潰した下村さんもいて、かまぼこ時代の下村さんもあの日ピアノを弾いた下村さんもちゃんといて、その下村さんたちも一緒にすっと背を伸ばしているように思った。 - 2026年2月17日
ジニのパズル崔実読み終わった再読私たちの歴史は、誰もすすんで開かない教科書などではない。私たちの歴史は音楽の中にある。私たちが流した涙は詩の中にある。辺りは闇に包まれ、この惨めな人生は微かな音を立てることもなく終わるのだろうと思った中でもら唄うことを、踊ることを、笑うことを決して忘れなかった先祖のその心は、時空を超えて私たちと共にある。 - 2026年2月14日
花粉の部屋ゾエ・イェニー,Zo¨e Jenny,平野卿子読み終わった「通りを二、三本へだてた所に母が越し、わたしは父と残った」本書の主人公、ヨーの両親の別れは、冒頭のこの一文でかくも簡潔に語られる。抑制されつくした、乾いた語り口。限界まで削られた言葉。悲しみや不安、孤独はけっして訴えられることはない。ヨーのあらゆる心の動きや感情は、目の前の事象に、あるいは行為に、あるいは事物へと鮮やかに転換され、視覚的に提示される。 - 2026年2月13日
アカデミー賞入門 (角川新書)松崎健夫読み終わった「映画は、私を世界中へと連れて行ってくれます。そして、お互いの違いを認め、尊重することを教えてくれるのです。同時に、私たちがどれほど多くの点で似ているのか、その人間性も示してくれる。どこから来た人であっても、映画館の中では一緒に笑い、一緒に感じ、一緒に希望を見出す。それこそが芸術の力なのです」 - 2026年2月8日
異類婚姻譚本谷有希子読み終わった私は過去に付き合ってきた男たちと過ごした日々を、ほとんど思い出せない。また不思議なことに、私と付き合う男たちは皆、進んで私の土になりたがった。そして最後は必ず、その土のせいで根腐れを起こしかけていると感じた私が慌てて鉢を割り、根っこを無理やり引き抜いてきたのだった。
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