
でんぐりわたる
@wataru_s
2026年8月29日

社喰い
片田江康男
読み終わった
船井電機の自己破産、ミュゼの自転車操業や会社分割とクーデター破綻、ルシアンHDとマイス社によるM&Aトラブル。これらへの取材と事の経緯を詳述した本。終章では、買い手企業、売り手企業のオーナー、M&A仲介会社の利害が一致するトライアングルの構図を明らかにして、日本の中小企業のM&Aの実態に迫る。
出てくる関係者はみなどこか他責で、「自分は騙された側」と主張する。そこに会社や従業員を慮る態度は感じられない。しかし一方で、彼らにはある種の正直さがある。自らの「欲」にも他人の抱く「欲」にも自覚的で肯定的だ。欲を起点とした彼らの無責任さがあるかぎり、会社は喰われつづける。
本書はとにかく読みやすく、門外漢の自分でも事の経緯がスルスルと頭に入ってきた。特に、一度読んだだけでは理解できないような事実関係を述べた後、直後の文で「つまり、、」「要するに、、」とわかりやすく噛み砕いてくれる親切さも好感が持てた。無駄な記述もなく大変読みやすい。

