しんどうこころ "「死児」という絵―随想集 (..." 2026年8月30日

「死児」という絵―随想集 (1980年)
詩人 吉岡実のエッセイ。 新婚旅行の思い出、当時の詩人・文人たちとの交友の記録などが、ゆるゆると綴られる。 田村隆一、那珂太郎、清岡卓行、白石かずこ、北園克衛と、名だたる詩人たちがごく自然に生活の中へ登場する。 師事した西脇順三郎との記録は、その中でもとりわけ多い。 しかし第二章、詩の話になると文章が本当にきりりとする。彼の詩論や詩作の背景などが垣間見え、わたしが今興味を吉岡実という詩人を、より深く理解できたように思う。 文章量がそれほど多くないこともあるが、二日ほどかじりついて一気に読ん持っているでしまった。 あれほど芸術性に富んだ詩を編む怪物も、普段は一人の人間なのだなと思う。しかしひとたび詩を語れば、その言葉の奥には圧倒的な知性がある。 人間としての吉岡実と、詩人としての吉岡実。その二つが同じ一冊の中にいることが、何より面白かった。
「死児」という絵―随想集 (1980年)
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