
きらた
@kirata
2026年8月30日
彼女が死んだ夜
西澤保彦
読み終わった
持ってる本と表紙が違うのでお写真貼っておきます(òωó)ゝ
匠千暁シリーズ(タック&タカチシリーズ)の1作
発行順的に何冊目なのかは知りませんが、作品内の時系列的に言えば初期にあたる作品らしいです
シリーズ作として追っては居ないのでよく分かってません、すいません!
“ハコちゃん”と呼ばれる浜口美緒は、超厳格な家庭で育ち、大学生となっても門限18時の厳命を守り続けている
勿論、ハコちゃんとは“箱入り娘のハコちゃん”との意味
そんな彼女が何とか両親を口説き落とし、アメリカに帰った仲の良い留学生(女)の家に長期滞在する許しを得た
その出発前夜、両親が不在なのをいいことに、同級生が開いた壮行会(飲み会)に参加し、初めての門限破りをする
深夜、ふらふらに酔いながらも誰も居ない自宅に帰った筈が、そこには血を流した見知らぬ女の遺体が?
「誰?」
動かない女に声をかけたハコちゃんは床に流れてる染みに気付く
「やだ、どうするのこれ」
掃除は嫌いなのに床を汚す血痕を拭き取らなくてはいけないのか?
それよりも問題なのはこの女の存在
警察──は、いけない
苦労して許可を取った海外旅行、不祥事があったら即時不可となる
目の前のこの状況は──“不祥事”
両親に知られたら旅行に出られない
なんとかしてこれを隠さなければ──
この状況を隠ぺいしなければ──
わがままで独善的な光を双眸に宿し、ハコちゃんは考える
こんな感じのプロローグから始まる本作は、ハコちゃん目線では語られません
ハコちゃんは、自分に気があるガンタに後始末を押し付けフェードアウト
本編自体はタックが語り手となって進みます
ガンタが後始末をする事を止められなかったタックとボアン先輩、そして後にその事を知るタカチが、後始末の後始末と称して事件の真相を探る
‥との話、と言えば良いかな?(*´ヮ`)
後始末をしなければ自殺するとのハコちゃんの狂乱振りを目の当たりにしたタックとボアン先輩は妥協案を出す
自分たちは隠ぺいに手を貸さないが、遺体を他所に捨て、犯罪現場を隠ぺいするのを見逃す代わりに、警察が犯人を見つけられなかったら、現場を知ってる自分達が犯人を見つけ出す
そう言ってはみたものの、警察が見つけられない犯人をタックが見つけ出せるのか?
被害者の身元から犯人は割り出せるのでは? と軽々に考えていたが、警察の力を持ってしても割り出されない被害者の身元
彼らが犯罪現場を隠ぺいした事で、被害者の身元に繋がる糸を断ち切ってしまったのか?
そんな中、ハコちゃんの壮行会に参加していたメンバーの1人が消息不明になっている事に気付く
誰にも何も告げず住まいも引き払って、彼はどこに行ってしまったのか?
酒の勢いを借りて、と言うか、酩酊状態で推理するさまはどこか良識?常識?を超えていて、“まかさそんな事が、そんな飛躍が”と通常時なら抑えつけてしまう内容でもするりと結びつけて語られる
そんな推理が当たっているとは‥と肝を冷やすのがこのシリーズの特徴でもあるのかな?(知らんけど)
大学生のだらしなさ(昭和〜平成初期位まではこんなイメージだった気がする)に、こいつらしょうもねぇなと苦笑いを漏らしながら読み進めるに従って、澱の様な苦味が蓄積·凝縮されていく
そうだよ、西澤保彦って、明るさを散りばめながらも毒を滲ませ堆積させて行く話も書く作家だったよね(この作品は毒が結構明確っぽい)
そういう意味では西澤保彦らしい作品なのかも知れません
本作は、胸糞要素もありますが、推理する側のキャラたちがそれなりの緩衝材役もしてるので多少の和らぎはある感じ
ただ、だらしなくてくだらないことに夢中になるような大学生活に拒否(嫌悪)感情がある方は避けた方が良いと思う
でも、そこを笑って許せたりするのならば、以下の感じかな(↓)
どんでん返し系もあり、読みやすさはあるけど、苦味は強めでやるせなさも強い
けれど、読み終わってみれば、バカ騒ぎをするタックたちにまた会いたいなと思う気持ちが湧いてくる
シリーズが続くってこう言うのの積み重ねなのかな?なんて感じた作品でした


