ぐらぱご
@glapagos
2026年8月30日
方舟
夕木春央
読み終わった
意外にも読んでてしんどい時間が長かった(凡庸でつまらないという意味で)。が、読み終わって納得&大満足。以下、絶対に抱いてはいけない気がする感想を。伝われ。
もし、修一があの時の選択を間違えなかったらどうなっていたのか? という作品中に絶対に描かれないトゥルーエンドを妄想してしまう。犯人の言動は確信に貫かれているから、岩が落ちた後は真実をしばし秘匿したんではなかろうか? すべての登場人物の生殺与奪を握っていた犯人の目の前にただ理知でなく意思によってそこに修一がいたならば、その眼にはどんなに哀れで、狂おしく愛おしい存在に映るだろうか、と。上はミステリの感想ではなくて、◯◯しないと出られない小部屋。伝われ。まあ『方舟』自体が推理しないと出られない方舟という物語構造になっていて、ある種の対称操作な訳だ。神への愛、的な。
作家にとっては幼少期から新興宗教の教義や思想が生活の身近にあったことを何かのインタビューでいっていた。ミステリを読んだが、まるで「信じるものは救われる」とでも説教されてるような、作家の宗教的世界観への確信をこの小説の読後に感じた。そういう構造で世界を眺めて再構築する意識が希薄なもんだから、この物語の意外などんでん返しがこんなにも面白いんだろう。
