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@13_rooms
2026年8月31日
聖なる黒夜(上)
柴田よしき
読み終わった
あるヤクザの幹部が殺された。捜査一課の麻生は事件を追ううちに一人の男と再会する。それは10年前自分が捕らえた青年だった。
令和の現在では却っで新鮮に感じるような、情念と執着と愛憎渦巻く凄まじいパワーの小説。往年のJune小説をおもいだす。時代と舞台だけあって今なら一発アウトの差別用語が洪水のようにあふれてるけど、それを捩じ伏せてあまりある物語の面白さがあります。私はもうどうしたって山内がすき。人生から無理やり足を踏み外させられてしまった男。踏み外した先で生きる力と才能を持ち得てしまっていた男。だからきっと永遠に幸せにはなれない男。胸に美しい蝶の刺青がある男。山内…。
「たったひとつだけわかっていることがある。自分はもう、人を愛したり、人を信じたりすることを望まない、それだけは、もう理解している。そしてそれを理解していれば、人生は考えているよりもずっと単純でわかりやすく、苦痛の少ないものなのだ、たぶん」という一節が好き。
