
花春
@haru-tuge
2026年9月1日
日下部くんには日傘が似合う
神戸遥真,
ぽん豆°
読み終わった
絵本・児童書
きれいな男の子の日下部くんがガーリー系の女の子向け日傘を使い出したことで、周囲のこどもたちが「いつのまにか確立してしまった自分のキャラという殻」や世間の目に対する羞恥心から自分にとって不利益な行為を選択してしまっていたりすることに気付いて、少しだけ変化が起きる話。
他の人間からすればなんてことない、本人にとっては大きな一歩を連作短編のかたちで描いている。
さらっとした読み心地でするする読める。葛藤や変化による周囲とのトラブルなどを深掘りしていないぶん読みやすく、また、深掘りされていないから心にはあんまり残らないかもなあ、と思った。
日下部くんは、自分に正直でいようと思って、バスケもヘアケアもするし可愛いと思った日傘を上機嫌で使う。日下部くんのポテンシャルが高いのもあり、まわりは「(男の子なのに変だという気もするけど)まあ日下部くんだし」とスルーしたり、変だと思って着目してちょっと友達と噂をしたり、正直であれない自分と重ねて寝たんだりする。
こういうテーマをさらっと読みやすく描くの上手い作者さんだな〜。
タイトル、難しいよな。
本当は、「似合うからアリ」ではない。「その人が好きだから、したいからやる」それだけで、似合うか否かは関係ない。
ただ、似合うと批判を受けなくて済むからスムーズだし当人の心が傷つかずに済むし、まわりが受け入れやすいのも確か。
(まあなんかこのタイトルはそういう意地悪な意味ではなく、「やりたいことをやっている姿は格好いい」「自分に正直ならば馴染んでしっくりくるように映るものだよ」みたいな応援メッセージの意味が強いのだろうなとは思うのだけど。ラスト、ガーリー日傘が他のこどもの手に渡るのってそういうことだと思うし)